もんちっち劇場






11/15 (水)



 久しぶりの栄冠ナインです。今回は12期生。

 



ある日の放課後、準備運動のランニングを眺めながら美羽高校グラウンドでの会話

校長: 「霧野君、今日もやっとるねぇ。

ただ根を詰め過ぎてもいかんよ。ちゃんと休養も取っとるかね?」


美咲: 「心配無用だぜ、校長先生。これぐらいでネを上げるほどヤワじゃねーよ。

それにもうすぐガキどもは中間試験だろ?この期間は部活も休みだし、ゲームでもやってのんびりするさ。

それ用のゲームもこないだ買ってあるし。」

校長 :「ほうほう?どんなゲーム?」

美咲 :「えーと。何つったっけな。何かタイトル長いヤツ…。

第3次スーパーファイナルモンスタークエスト無双WITHパワーアップキットとかなんとか。」

校長 :「ぶっは!それ有名なクソゲーじゃよ!あーあー、可哀想に、地雷引いちゃった!」

美咲 :「えっ!?マジ!?」

校長 :「うん、もうクソゲクソゲ。ネットでも評判悪すぎて持ってるだけでバカにされる究極の一品じゃよ。

発売当初はしょうがないけど、今買うとホントバカにされるからね!」


美咲 :「はー!?アキに相談したら、『面白そうだけど、人を選ぶかもしれないね』とか言ってたぞ!?」

校長 :「人の好い立花君が、誰かが作った作品を『あれはクソゲー』なんて言うわけないじゃろ。

精一杯彼なりの表現で買うなって言ってくれてるんじゃよ、それは。」


美咲 :「ウソだろ〜…、パッケージ見たら面白そうだったのに〜…。」

校長 :「ププププッ!パッケージ詐欺にガッツリ引っ掛かっちゃってんの!

こりゃ傑作じゃ、みんなに言いふらしちゃお!

おーい、野球部のみんな!!監督アホじゃよ!例の究極のクソゲー買ってやんの!!」


美咲 :「だあああ!うるせえぞこのハゲ!

ただでもクソゲー買ってヘコんでるのに追い打ちかけやがって!てめーみてーに人の不幸笑う奴はこうだ!!」

校長 :「ぬわーっ!?こらこらこらこら!!また人の頭に落書きする!!

なに!?今度はなんて書いたの!?って、それ油性じゃないよね!?」


美咲 :「水性に決まってんだろ。脈動変光星…っと。」

校長 :「周期的に眩しさが変わります…ってやかましいわ!!」


なお、油性だった模様。





11期生がセンバツで全国制覇を成し遂げたことや、

プロ注目の大エース尾藤里緒、そして1年生に天才と誉れ高い猫塚兄弟が出現したことにより、

美羽高校の注目度は俄然ハネ上がり、もはや誰もが知る名門校として他校からマークされるようになった。

そして11期生・「超人」里緒と13期生・「怪物」猫塚兄弟の世代とに挟まれた12期生は

あまりにも高すぎる峰と峰に挟まれた谷間世代として非常に苦しむことになる。



大スター世代に挟まれた自分たちの無力さにモチベーションがダウンしてしまった12期生、

彼らを奮い立たせるのに美咲は相当苦労させられることになるのである。






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藤谷 大吾 (ふじたに だいご)

卒業時の身長・体重  178センチ 84キロ



正体がキツネの妖怪である第10期生・片野が山の友達を連れてきてしまった。

その正体はタヌキの妖怪で、こちらも江戸時代から生きてるらしい。

始めはどれだけ正体を隠せるものか人間の振りをしていたが、見てのとおり変化が片野より下手なのもあり、

美咲監督に会った瞬間「お前タヌキじゃねえのか。」といきなりバレてしまう。

だが、何事にも不動心の美咲監督は「まあいいや、よく来てくれたな、がんばれよ。」とタヌキの妖怪も迷わずあっさり受け入れてしまうのだった。



片野同様やはり妖術を使用した変化球投手である。

球速は無いが多才な球種で的を絞らせず、また片野よりスタミナもあるようだ。

というより、片野より変身が雑な分、投げる方に妖力をつぎ込めているという事であろう。

初めて迎えた春の甲子園では、パワーで押す尾藤里緒と対極の変化球投手だったこともあり

相手打線が里緒の速球にタイミングを合わせてきたら、藤谷に継投するという形でとても重宝された。

11期生引退後は、第12期生のエースピッチャーとして活躍。

3年生時は春夏ともに甲子園には縁が無かったが、その活躍が東北楽天ゴールデンイーグルスのスカウトの目に留まり

無事ドラフト指名と相成った。



プロ入り後の、ソフトバンク VS 楽天 戦では、

ソフトバンク入りしたキツネの片野と、楽天入りしたタヌキの藤谷による、まさにキツネとタヌキの化かし合い投手戦が展開され、

両投手のなげる合計約200球の魔球を間近で判定し続けた審判は、

「試合中なんだか頭がボーっとし続けてた、明日にでも病院に行ってくる」と化かされ続けた感想を語った。








水越 雨京 (みずこし うきょう)

卒業時の身長・体重  176センチ 65キロ



第12期生のキャプテン。

水越家は日本舞踊の名門で、雨京はその一人息子である。

体力づくりの一環もあって子供時代からスポーツをやらせており、中学卒業から本格的に日本舞踊に専念する予定だったが、

本人の強い希望で高校まで野球を延長することになった。

「厳しい練習を乗り越え、高校野球生活の経験が将来演舞にも幅や奥行きをもたらすのではないか」と厳格な父も賛同してくれた形である。

そのため当然ながらプロ願望などは無く、卒業後は修業に専念している。



雨京のポジションは扇の要・キャッチャーである。

キャッチングが上手く、リードも観察力が高く、守備型のキャッチャーとして投手陣を支えてきたが、

ある日、彼のキャッチャー人生を狂わせる事件が起こった。

それは、雨京が2年生時の夏の県大会決勝戦。

つまり、11期生の尾藤里緒 VS 辻間東高校のスラッガー葛城丈太郎のライバル決戦である。

この時2年生ながらキャッチャーとして里緒の球を受けていたのが雨京だった。

そして、里緒の剛速球が、葛城の手の骨を粉砕したのを一番傍でまともに目撃してしまったのである。

あの剛速球の映像を。音を。葛城が悶絶している姿を。一部始終一番近くで焼き付けてしまった。



「あんな凄いバッターでも骨を折られる様な球を、オレは受け続けているんだ…!もし取り損ねたら…!」



ふと、そんな考えが脳裏を掠めてから、急激に里緒の投げるボールが恐ろしくなってしまう。いわゆるトラウマである。

里緒のストレートは葛城の手の骨だけでなく、キャッチャーである雨京の精神をも粉砕してしまったのだった。



そのため一定以上(おそらく150キロ級)を超える速球に腰が引けるようになってしまい、

軟投派の藤谷・稲垣の球しか受けられなくなる。1年生の猫塚夕陽にキャッチャーを替えられる機会も急増した。

あの尾藤里緒が最後の大会で全国制覇できなかったのは、甲子園で戦う相棒を失って本来の力を発揮できなかったせいだとも酷評された。



責任を感じた雨京はその後必死の特訓を繰り返し、何とかキャッチングを調整して試合間隔を取り戻す。

里緒たちが引退した直後の秋の大会では、また正捕手として出場した。

ところが、この大会で再び悲劇が起こる。



秋の地方大会2回戦で、格下校相手に試合は4−4の同点で9回裏の守備を迎えていた。

先頭打者に2塁打を許し、次の打者にバントを決められてワンアウト・ランナー3塁。

続く打者はボテボテのショートゴロ。3塁ランナーは「ゴロGO!」でホームに向かって突っ込んでくる。

味方1年生ショートの猫塚朝陽は、ピッチャー経験も有り、プロすら舌を巻く強肩の持ち主である。

朝陽は素早くボールを処理してバックホーム送球。

送球のスピード・コントロール申し分なし、

完全にアウトにできるタイミングだった。

しかし、その朝陽の矢のような送球が纏う風切り音が雨京のトラウマを再燃させてしまう。

朝陽の送球と里緒の剛速球がダブってしまった雨京は身体がこわばってしまい送球を取り損なって弾く。

3塁ランナーはそのままサヨナラのホームを踏み、美羽高校は地区大会で敗れた。

この敗戦で雨京は自分はキャッチャー失格だと、1年生の猫塚夕陽に正捕手の座を譲ったのである。



最後の夏の大会は、他の内野のポジションにコンバート。

時にはセカンド、時にはサードと流動的に守った。

恐怖を感じるのはホームでしゃがんでボールを受ける時だけで、それ以外の局面は本来のグラブ捌きも発揮できるようだった。

キャプテンでありながら守備固めに甘んじる結果に終わったが、

「これもみんな自分の精神の弱さが招いた結果。みんなにも申し訳なかった。

でも、己の弱さと向き合えたのは今後の糧になると思います。」
と言い残している。






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東 武則 (ひがし たけのり)

卒業時の身長・体重  175センチ 79キロ



第12期生のムードメーカー。

ムードメーカーというのは良い意味ではチームを盛り上げて乗せてくれる役割を担うが、

悪い意味では、彼が不貞腐れるとチーム全体がもの凄く雰囲気が悪くなる、という事でもある。

はじめは、10期生羽田とバカな話で盛り上がったり、11期生尾藤らとイケイケ状態でチームを高揚させるなど

チームメイトとの仲も良好で大きな力を発揮したが、

11期生卒業後自分たちの時代が来るはずと思ってたところに待っていたのは、

マスコミらによる猫塚フィーバーだった。

最高学年の自分たちを通り越して、1学年下の猫塚朝陽・夕陽の兄弟にスポットが当たってしまったのである。

また、その実力が本物なため、美咲監督も彼らを最重要選手として起用する。

これに不快感にも似た劣等感を示してしまったのが東や、後述する三田村たちであった。



「尾藤先輩らは凄かった。尊敬してる。でも、あんな人間離れした人と比較されるのなんて溜まったもんじゃない。

猫塚は良い奴らだ。実力も本物だから監督が大事にするのも分かる。たしかにアイツら男から見てもカッコいいよ。はっきり言ってとても敵わねぇ。

オレ達ってなんなの?上も下も化け物すぎて、なんかオレ達だけ凄ぇダメ人間みたいだ。」




劣等感や嫉妬心。積み重なった思いが遂には

「オレ達はいくらやってもダメですよ!出来のいい奴だけでやればいいじゃないスか!!」と監督に噛みついてしまう事にもつながる。

12期生の大半がみんな抱いてた思いだったのに加え、よりによってムードメーカーの東の口からこの言葉が出てしまったのも不幸だった。

良くも悪くも東の言葉は人を引っ張っていってしまうのである。

1か月ほど12期生の大半(藤谷や水越は除く)がボイコットしてしまう事件が起こる。

当然校長たちは青ざめて、どうにか説得しようと右往左往していたが、美咲監督は全く動じなかった。

アイツらは必ず戻ってくると信じていたし、

監督が取り乱しなどしたらチーム全体に不安が広がってしまい、教え子に対して示しがつかないからである。

案の定やがて部員達が頭を冷やして戻ってくると

「監督、すみませんでした!オレ達なんのために野球をやってるのか見失ってました。

心を入れ替えて頑張ります。球拾いでもいいんで、もう一度やらせて下さい!」
と泣きながら謝罪。

この件で結果的にはチームは以前より結束した。





ちなみに右往左往して焦ってたのは校長や後援会だけではなく、当の猫塚兄弟もだった。

「自分たちのせいで先輩達が居づらくなってしまった(´;ω;`)」と責任を感じた猫塚兄弟が退部願いを持ってきてしまったので、

逆に美咲に兄弟そろってこっぴどく叱り飛ばされた。

「お前らはバカか!?ガキがくだらねえ気を回してんじゃねえ。10年早えわ!

大体な、こんなモン持ってくるって事は、お前らは先輩をその程度の器と思ってる事になるんだぞ!

見くびってんじゃねーよ。アイツらは強いんだ。お前らのプレッシャーなんかに、いつまでも背を向けていねえからな!」


退部届を破り捨てると、続けて

「それより、アイツらが戻ってきたらさ、『あれ?逃げたんじゃなかったんですか?』とでも言ってやれ。」と命令。

そんな事言えないです、と二人は当然難色を示す。

「いいか?アイツらも、ガキみてーにヘソ曲げて、それからノコノコ戻ってきましたってのは、バツが悪いじゃん。

いっそ、それぐらいキツい事言われた方が、
『見てろよこの野郎』って気になるだろ。

その方が、かえって気が楽なんだよ。

アイツらが一目置いてるお前らの言葉だからこそ効果的だ。

意地悪で言うんじゃない、お前らが先輩たちの心の重石を取ってやるんだ。」


二人もなるほどとうなずき、「分かりました。それで先輩たちの気分が救われるのならやります。」と嫌われ役を引き受けることにしたのだった。



ところが後日、先輩たちが頭を冷やして監督に謝った後、実際に気まずそうにグラウンドに帰って来ると

その姿を見つけた朝陽は反射的に

「先輩っ!!戻ってきてくれたんですね!?うれしいです!また一緒にやれるんですね!!」と、

目を潤ませて駆け寄って(しかも途中コケて顔面をしこたま強打した)しまったため見事に挑発するのをド忘れしてしまう。

妬んでた対象人物に大喜びで無邪気に迎えられたため、罪悪感でいっぱいになっている先輩たちを見て、

「これはマズイ。朝陽が失敗した以上、僕がやるしかない。」と一人で嫌われ者になる覚悟を決めた弟・夕陽だったが、

普段無口で、まして人に暴言を吐いた事などある筈もない彼には、このミッションはあまりに荷が重すぎた。

「なんでしゅ…なんれすか、先輩。に、逃げちゃった…逃げたんじゃなかってんでつk・・・ナカッタンデスカ!?」

と無惨にも裏声で噛みまくり、グラウンド全体に唖然とした空気が広がったため、

あまりのグダグダ感に見かねた美咲が

「…昨日リハーサルした時は、ちゃんと言えたのにな、夕陽!」とフォローすると全員が大爆笑した。

予定とは全く違った形で先輩たちの気まずさや恥ずかしさは吹き飛んだのだった(夕陽にとっては黒歴史になったが)。





さて、この東君。一度、腹を決めてからはよりチームのムードメーカーとしてチーム全体を引っ張り、

ガッツあふれるプレーと雰囲気を持った選手であることが評価されて、福岡ソフトバンクホークスから、育成ながら4位での指名を受けたのだった。






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三田村 冬樹 (みたむら ふゆき)

卒業時の身長・体重  181センチ 82キロ




12期生のスラッガーとしてチームに貢献。

1年生の猫塚朝陽が4番に抜擢され、自分が任せてもらえなかったことに不満を持っていたため、

東と共に「やってらんねえよ!!」とボイコットの中心人物になってしまう。

決して実力が無かったわけではなく、「もし猫塚兄弟が居なかったら間違いなくアイツが4番」と美咲も認めていた。

パワーのある打撃と、反対方向にも打球が伸びる長打力は決して二人に劣るものではなかったが、

打撃の確実性や、安定感に欠けるところがあったため、3番・夕陽、4番・朝陽、5番・三田村という並びになった。

つまり実力というよりは、タイプで4番を外されたという感じである。

プロからもその打撃は評価されていたため、

ドラフトでは千葉ロッテマリーンズから5位指名を受けた。



しかし、三田村が一時的とはいえ打順に不満を漏らしたのは事実で、人を使うのは難しいと改めて感じた。

「三田村が後輩より扱いが悪い、と怒るタイプだとは思わなかったな。思ったより気難しい奴だったんだな」と美咲が振り返ると、

「いや、そうじゃないんですよ。」と水越が否定した。

「どうも同じクリーンアップなのに、朝陽と夕陽が女子からの声援が凄いのに、自分の番になるとシーンとなるのが惨めだったみたいで。」

「それはオレにはどうにもできねえよ!」

「だから、せめて4番になれば自分もモテると思ってたみたいです。」

「ならんならん。あー、気にして損した。」

想像以上のくだらない理由だったので呆れかえるほかなかった、が、本人にとっては深刻だったのである。






稲垣 正規 (いながき まさき)

卒業時の身長・体重  170センチ 61キロ



12期生のリリーフエース。

先発の藤谷とよく似た変化球が得意な軟投派ピッチャーである。

ただ、雰囲気に弱いところがあり、プレッシャーが大きくなると力が発揮できなくなる精神面の弱さがあった。

ボイコット事件の時も、決して稲垣自身は不満など何も持っていなかったのに、

同級生たちがみんなで辞めちまおうぜ!という流れになってしまうと

自分は残りたいと言い出せなくなって巻き込まれるように参加させられてしまったところなどにも、

優柔不断で押しに弱い性格があらわれている。

最後の夏の大会では、地区大会決勝戦でリードで迎えた終盤、相手打者に死球を当ててしまったのに動揺し、

その後コントロールミスを連発。まさに独り相撲で試合を壊してしまった。

ココまで投手が自滅してしまうと、監督の美咲にも、高校No.1キャッチャー・夕陽にもどうにもできない。



変化球のキレに関しては決してエースの藤谷にも負けていなかったが、

精神の図太さが無かったためプロからの声が掛かることもなく、卒業後はパン工場に勤務している。



12期生は、秋の大会はキャッチャー水越のエラー、

夏の大会はリリーフエース稲垣の乱調、

手痛いバッテリーでのミスにより両大会ともに予選で散ってしまった。

選手のボイコット騒動も含め、チームを強くするのは技術や体力だけでなく、

特に多感な子供たちを指導するのに精神面をどう指導していくべきなのか

大きく課題として問われた1年となった。







真壁 春子 (まかべ はるこ)



美羽高校の寮母である。

美羽高校の寮は、野球部が霧野順平の代に全国制覇を成し遂げた時に、

「今後はスポーツにもっともっと力を入れていく」との校長の決断で、建設が決まったものである。

ただ、野球部専用の寮というわけではなく、

サッカー部やテニス部バスケ部など、様々な部活が共同で使っている。

その寮の寮母として、みんなの肝っ玉母ちゃんのような存在が真壁春子である。

明るく優しい人柄でみんなからも親しまれており、本人も非常に世話焼きである。

特に女らしさの欠片も無い尾藤里緒などは、しょっちゅうガミガミ叱られていた。

美咲に対しても「生涯不犯とか青臭いこと言ってないで、

アンタもいいトシなんだから相手ちゃんと探しなさい!ほら、お見合い写真持ってきてあげたから!」


「いらねーよ!!」

というやり取りが頻繁に見かけられる。

春子 :「良いからお見合い相手のリスト見るだけ見てみなさいよ。」

美咲 :「ん?コイツ見覚えある…吊目藤次郎!?コイツ、既婚者だろーがよ!?」

春子 :「ああ、その人はやめといたほうが良いわよ。

婿養子だったみたいだけど、浮気ばっかして怖い義兄さんに追い出されたらしいわ。」


美咲 :「あのバカ、ついにクセルクセスの逆鱗に触れたか…。よく殺されなかったな…。」

殺す価値もなかっただけと思われる。





長南 理恵 (ながなみ りえ)



第12期生女子マネ。良いところのお嬢様である。

第8期生女子マネ・辻内加奈の悪夢を彷彿とさせる、へっぽこマネージャーであり、

辻内がドジやおバカでやらかすのに対し、こちらは世間知らずや天然ボケでやらかしまくった。

趣味は料理。と言っても料理が上手というわけではなく、

訳の分からん材料を大量にぶち込んでスタミナ料理とか薬膳料理とかを作って人に食わせるというとんでもない趣味である。

バラムツを大量に食わせて東をトイレの住人にしたり、

里緒にベニテングダケ食わせたり(←鉄の胃袋でも持っているのか平気だった)、

「良い獲物を見つけたのでタヌキ鍋を作りますわ」とか言い出したので、美咲が「まさか!」と調理室に駆け込んでみたら

食材になりかかっていたのは変化の解けた藤谷だった、などと悪行の限りを尽くしている。

キ〇ガイに刃物とはよく言ったもので、こんな裏料理人に実家の財力を与えるととんでもない事になってしまうのだった。

そのうえ本人は善意でやってるから余計に始末が悪い。



また、第14期生の長谷川久美が、

「惚れっぽくなる料理とかないですか。夕陽センパイとお近づきになりたいんですけど。」と相談したところ、

理恵が怪しげな食材をふんだんに使った地獄のカレーを作って、泣いて嫌がる夕陽に無理やり食わせた結果、哀れ夕陽は七転八倒して転げ回る羽目に。

そこに駆け付けた久美が大慌てで胃腸薬を持っていったことで、結果的に点数を稼いだという凄惨な事件も発生した事がある。

そんなこんなで、長南マネージャーが料理しだすと、部員が一斉に雲隠れするという珍現象がよく見られた。



卒業後は女優になったとか。





ここまでの過去ログ

第 1回  2016年 8月10日

第 2回  2017年 3月14日

第 3回  2017年 3月20日

第 4回  2017年 4月21日

第 5回  2017年 4月22日

第 6回  2017年 5月18日

第 7回  2017年 6月10日

第 8回  2017年 7月11日

第 9回  2017年 8月 9日

第10回  2017年 8月29日

 今回登場した、寮母の真壁春子というキャラを作るにあたっては、しんちゃんからアイデアを提供して頂きました。

 そう言えば、ウチっておばちゃんキャラあんまり居らんよね。貴重なご意見ありがとうございました!



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