スペクトラル三国志
第3日目(後編)
〜前回までのあらすじ〜
絶体絶命にさらされた馬騰軍。このピンチを切り抜けるべく馬騰は国の命運をオウリンに託す。
軍師に任命されたオウリンは、迫り来る孫権の脅威に対し、倍返しのカウンターを計画。
奪われた武都をひとまずおいておき、今後の戦略に必要な拠点となるであろう漢中を奪った。
そして、この戦いで莫逆の友である陸遜も味方に引き入れたのであった。
初戦を上手く切り抜けたオウリン。だが、果たしていまや敵なしの孫権に対し打つ手はあるのか?
◆オウリン、師匠・陸遜を越える。
さて、漢中を手に入れたオウリンは、とにかく孫権がダメージを回復する前に、次の手を打っておきたかった。
よって、内政はそっちのけ。ひたすら消耗した軍事力の回復を待ち、また孫権サイドの動きから目を離さないように心掛けていた。
そんなある日。
王双:
「ごめん。拙者王双と申すものでござる。武芸には自信があり申す。どうか拙者を幕下にお加えくだされ。」
と、仕官希望があった。
オウリン:
「えーと。どれどれ?武力86!?こりゃ、助かるねぇ!大歓迎だよ。」
と喜んだオウリン。早速馬騰のところへ。
馬騰:
「なになに?名をなんといったかな?」
王双:
「は。王双ともうします。是非とも役立ちたいと思っております。」
ここで、軍師は発言を求められる。
つまり王双をとるべきか、とらないべきか。という決断についての助言である。
オウリン:
「(今はどんなボンクラでもいいから一人でも多く武将が欲しい時だしね。まして、こんな優秀な男が自分から部下になりたいって言ってきてるんだ。わざわざ助言する事も無いだろ。)」
このゲームには発言力という数値が軍師にはある。これを消費する事で、自分の意見を採用してもらうわけである。
この助言には100ポイントの発言力を必要とするのだが、こんないちいち挟むまでも無い助言に貴重な発言力を消費したくない。
よってオウリンは黙って馬騰の裁量に任せることにした。
まさか断るバカはいな・・・
馬騰:
「拒否。」
オウリンは魂が抜けた。
あの世へ行って、一度マリルや大蛇丸とお茶飲んでオウリンが現世に帰ってきた頃には、すでに王双はいなくなっていた。
馬騰:
「ん?どしたの、オウリンちゃん。」
オウリン:
「前から何度も言おう言おうと思ってたけど、おのれはアホかあああああっ!!!あんな良い武将の仕官を何で断るんだああああ!!」
馬騰:
「だってムサ苦しい顔してるし。」
オウリン:
「お前も似たようなもんじゃあああああああああっっっ!!!」
慌ててオウリンは、国内をくまなく探し王双の住所を探り当て、魅力の高い馬超に王双に力を貸してくれるよう頼みに行かせた。
馬超:
「いや、申し訳ない。何しろうちの親父はちょっとアレで・・・。」
王双:
「分かりました。馬超殿自ら来ていただいては、断るわけにもまいりますまい。」
ヘンなお父さんを持つと、息子は非常に苦労するなあと王双は思った。
また、オウリンも馬超を登用に向かわせたので、結局発言力を消費してしまった。
さて、その直後、漢詩大会が執り行われた。
オウリンも参加したわけだが、あの陸遜も参加している。
陸遜:
「ははは。オウリン。どれほど成長したか見せてもらおうかな。」
結果。なんとオウリンは陸遜を押さえ優勝した。
陸遜:
「い、何時の間にここまで・・・。ちょっと前までミミズの這うような字を書いていたのに。(ショック)」
なお、軍師の座をオウリンに奪われた汚名の返上を期していたジャドウは不名誉な最下位に終わった。
成宜:
「心に染み渡る素晴らしい詩ですな!」
ホウトク:
「素晴らしい!軍師殿を見直しましたぞ!!」
オウリン:
「そんな褒め言葉はいいから、賞金賞金しょーおーきーんー!!」
賞金をねだるオウリンの姿は、彼女の漢詩を聞いて感涙に咽ぶ審査員達の心を一瞬で冷却したという。
◆オウリン、武都を奪回する。
漢詩大会で貰った賞金で心ゆくまで美味いものを食いまくって満足したオウリンはいよいよ、武都奪回作戦に乗り出した。
馬超に連絡して、馬超の守る天水から武都攻略軍を発してもらう。
それに呼応して、漢中からオウリンが救援軍を率いて挟み撃ちにする手はずである。
作戦は漢中攻めとほぼ同じ。
馬超が中央から軍を率いて突撃をかけ、オウリンはひたすら河で敵の援軍を撃破する。
序盤はこの作戦で問題なく展開した。
馬超軍は次々と敵の正規軍を破り、オウリンは予定通り河の中央で敵の援軍を迎え撃つ。
オウリンはリカイ、凌操、全宗らに囲まれるが持ち前の水軍能力で圧倒する。
ところが、威勢のいい声とともに呉軍の一部隊が突っ込んできた。
オウリン:
「!?」
甘寧:
「我こそは甘興覇!いざ勝負勝負!!」
オウリン:
「げげっ!?甘寧もいたのか!!」
甘寧は武力が90台後半、しかも水軍を持っている。
いくらオウリンでも、甘寧に加えて他に良将3人の計4人に四方を囲まれるのは危険だ。
だからと言って甘寧との戦いを避けて陸にあがれば、今まで優勢に闘っていた3武将に今度は苦しめられる事になる。
オウリン:
「まずい!くそっ・・・時間を稼ぐか!?いや、甘寧が突撃を掛けてきたらそれこそ相手の思う壺・・・!!」
過去最大のピンチ!!
ともかく少しずつ陸に陸に船を寄せていく。
いざという時は囲みを破って、先ほど奪った拠点に逃げ込むためである。
しかし、甘寧が陸地に先回りしてオウリンの進路をふさぐ。ついにオウリンは4将軍に取り囲まれてしまった。
甘寧だけ、もしくは残りの3人だけなら何とかなるだろうが、これだけの兵力差で囲まれると一つの戦術ミスがそのまま危険にさらされる。
オウリン:
「ちくしょう!こうなったら玉砕覚悟で水上の敵を蹴散らすか・・・!!」
ところが、そのとき甘寧の軍勢が突然大きく崩れた。
オウリン:
「!?」
馬超:
「オウリン無事か!甘寧は任せておけ!お前は水上の敵を殲滅しろ!!」
天の助け!敵本陣に向かっていた馬超が非常事態に気付き急遽引き返して甘寧軍の背後を突いてくれたのだ。
オウリン:
「ありがたい!馬超が来てくれれば百人力だよ!!」
形勢逆転。オウリンはリカイ、全宗、凌操と各個撃破していく。
甘寧:
「おっ、おのれーっ!!貴様が西涼の錦馬超かぁ!あと一歩というところで邪魔をしおって!!」
呉軍はどんどん士気が低下していることもあり、もはや甘寧は馬超の敵ではなかった。まして、馬超の武力は既にマックスだ。陸上で甘寧が馬超に敵うはずが無い。
それどころか、3部隊を撃破したオウリンが今度は馬超とコンビネーション攻撃を始めたのだから、もはや甘寧にはなす術がなかった。
結局ここでの主力決戦がそのまま勝敗に直結した。
最後の拠点を王双が占領し、遂に西涼軍は武都の奪回に成功したのである。
なお、この戦いで捕虜とした甘寧は馬超の武勇に好感を抱いたのか、意外にもあっさり馬騰の配下に加わった。
陸遜に続き、また一人優秀な軍人を得た事になる。
◆オウリン、1品官に出世する。
そのころ、同盟国の劉備が曹操領の洛陽を攻撃する計画を立てていた。
劉備の使者としてアゼレアが来訪し力を貸して欲しいといってきた。
オウリン:
「いいんじゃない。」
馬騰:
「うーん。いいのか?洛陽は国の都だが。」
オウリン:
「今そこを奪ったって前線が増えるだけだしね。劉備を洛陽に入らせて北からの曹操の脅威に対する盾にしよう。」
馬騰:
「そうか、分かった。」
宛の太守はこの時、陸遜がまかされており、陸遜の指示によってホウトクらが増援軍として攻め込んだ。
この戦いは劉備の勝利に終わる。ここで予想以上の成果が得られた。
というのも、あの夏侯淵が捕虜となり、しかも曹操の下を去り馬騰の軍門に下ったのである。
先の陸遜、王双、甘寧に引き続き夏侯淵と、これが本当に少し前まで人材難にあえいでいた西涼軍か?と思うほど戦力が充実してきたのである。
勢いに乗ったというか、調子に乗った馬騰はさらに武都から南の方にも軍を進め梓童を攻略。
この戦いでリトルスノーを捕らえ処刑したという報告が入ってきた。
オウリン:
「ありゃりゃ。これでリトルスノーも脱落か。残るはたった4人になっちゃったねぇ。」
しかし、オウリンが感慨にふける間もなく、やられっぱなしで黙っていられるかと孫権軍が漢中に攻めこんできた。
呉軍の総大将は魏延。
しかし、いかに猛将魏延といえど、オウリン、甘寧のコンビと闘うのは無謀すぎた。
あっさり戦いは西涼軍の勝利に終わり、魏延もまた馬騰の部下となった。
そして、これまでの戦いの功績が認められてオウリンはついに1品官に出世したのである。
マリマー:
「おめでとうニャ。」
オウリン:
「これで兵士数を最大値まで持つ事が出来るよ。」
運気がめぐってきたのか、さらにいいことが続く。
このあと、甘寧は都側の前線に移動を命じられたが、その穴埋めに漢中へ派遣されてきたのが馬超だった。
やっと馬超と同じ国になれた!!これで武力は上げ放題である。
オウリン:
「よし!!今がチャンス!しっかり馬超に鍛えてもらって武力を上げるぞ!見てろジャドウめ、うはははははは!!」
オウリンはまだこの前の武術大会の事を根に持っていた。
ちなみに、馬超がオウリンと同じ国に移動したというのを聞いた陸遜が、慌てて馬騰に自分も漢中に移動させてくれと願い出て、あっさり却下されたそうな。
◆オウリン、大将軍に奉じられる。
馬騰はいよいよ、本格的な領土拡大に乗り出した。
まずは曹操と孫権が国力を疲弊させあっている徐州方面に勢力を伸ばす事にした。
というわけで、その方面の入り口でもある許昌に軍を進める事を決定。
オウリンは馬騰の命を受け劉備に共同作戦の申し入れに出かけた。
先の戦いでしっかりアゼレアに恩を売っておいたので、今回は劉備側もあっさり承諾した。
オウリン自身は漢中で馬超と戯れていたので防衛についていたので、許昌攻めに参加は出来なかったが、なんと許昌の太守を務めていたのは、あのヒロだった。
そのうえ、奇しくも馬騰軍の参軍はジャドウであり、オウリンの預かり知らぬところでジャドウとヒロの兄妹対決というスペクトラルファンにはたまらない好カードが演出されていた。鬼だ。
ちなみにこの兄妹対決、ジャドウに軍配があがり、ヒロはあっさり西涼軍に投降した。
オウリンは軍師で1品官。ヒロは平社員で2品官。
つまり、ヒロはオウリンと一度も戦わずして、オウリンの部下になった事になる。
ワシとしても、オウリンとしても、スペクトラルフォースの主人公とも言うべきヒロとの戦いをいかにドラマチックに盛り上げていくか、ずーっと考え続けてきたのに、こんな形で知らん間に決着がついてしまうとは、まさに拍子抜けである。
ヒロを部下にした直後、オウリンは馬騰に相談を受けた。
オウリン:
「今日は何の用?また、前みたいに夕食はご飯が良いかラーメンが良いかって話ならぶっ飛ばすよ。」
馬騰:
「休憩時間にお茶を飲むか酒を飲むか迷ってのう。」
オウリン:
「泥水でも飲んでやがれ。」
馬騰:
「冗談冗談。のう、オウリンちゃん。わし、皇帝になろーかな。」
オウリン:
「は?」
馬騰:
「皇帝になりたい。」
オウリン:
「皇帝になりたかったらそれなりの手続きをしないと。後漢皇帝から譲ってもらうとか。」
馬騰:
「皇帝は同盟国の劉備が保護してるから奪う事も出来ん。」
オウリン:
「じゃあ、諦めるんだね。」
馬騰:
「でもわしギョクジ持ってるよ?」(ギョクジとは皇帝が持つ証となるアイテム。戦乱のドサクサで行方知れずになっており、これを手に入れたものが次の皇帝になれると勝手な事をみんなに思い込まれていた。)
オウリン:
「献帝に返してくれば?」(献帝・・・ようするに現在の中国皇帝である。)
馬騰:
「それじゃ偽善者という称号つけられるからいやじゃ。意地悪言わんと早く皇帝即位イベント進めてくれ。」
(注1:ギョクジを売ると偽善者という称号がつけられる。国家の最も大切な宝物を売り飛ばすのだから、偽善ですらないと思うが。)
(注2:実際ゲームでは君主が自分から皇帝になりたいなどとは言い出せない。軍師つまりこの場合はオウリンから帝位についてはいかがですか?と勧めてあげなければならないのだ。オウリンが何時までも切り出してくれないから馬騰が業を煮やしたのである。)
オウリン:
「はいはい。自称皇帝に即位するんだね?」
馬騰:
「うむ。国号は「涼」とする。」
こうしてついに馬騰は皇帝の位についた。この国で一番えらいと宣言したわけである。
しかし、皇帝に即位して間もなく、宛が孫権に奪われた。主力が許昌に集まって手薄になったところを狙われたのである。
馬騰:
「うぬぬぬぬ!!朕(←言ってみたかった)を馬鹿にするとは許さぬ!!オウリン!お前を大将軍に任命する!すぐに宛を取り返してくれ!!」(この瞬間オウリンは将軍位でもトップに立った)
たしかに、このままでは許昌に取り残された陸遜、ホウトク、ジャドウ、ヒロたちが危ない。
オウリン:
「ジャドウとヒロを助ける義理は無いけど(酷え)、陸遜やホウトクは大事な友人だ。すぐに救出に向かうよ。」
オウリンは漢中を馬超に任せて自分は単身長安に移動。
長安の軍勢をかき集めて一気に宛を攻撃して奪い返した。
一方の馬超軍は魏延らを率いて上庸、さらに襄陽と連続制圧。
見事に馬騰の勢力は中原のど真ん中に進出したわけである。
もちろんこうなると、周囲の標的にもなる。これからが正念場になるのは間違いないだろう。
オウリンは長細い領土の西側と東側を繋ぐ重要な拠点である許昌、ここの重要性を感じ、宛からここの防衛に移った。
オウリン:
「さあ、いよいよ孫権との最終決戦だ。これに勝てば天下は握ったも同然。気合入れていかなきゃね。」
闘志を燃やすオウリン。天下分け目の戦いは目前に迫っていた。
おそらく次回が最終回。果たしてオウリンの運命やいかに!?
おなまえ | 武力 | 知力 | 政治 | 魅力 | 合計 | 名声 | 状況 |
オウリン | 101 | 98 | 90 | 82 | 371 | 11626 | 馬騰軍軍師 |
ヒロ | 88 | 84 | 77 | 72 | 321 | 6276 | 馬騰軍太守 |
アゼレア | 52 | 91 | 100 | 88 | 331 | 7508 | 劉備軍軍師 |
ジャドウ | 96 | 86 | 71 | 48 | 301 | 5599 | 馬騰軍一般 |
青字はアップした能力。
リタイア
1号 マリル
2号 大蛇丸
3号 リトルスノー