毘沙門天の旗がゆく

「信長の野望烈風伝プレイレポート」

◆登場人物

上杉謙信(長尾景虎):今回プレイした大名。とにかく強い。めちゃくちゃ強い。最強。

もんちっち:新武将で作成。政治戦闘知謀采配すべて30前後のザコ武将。特技もない。


◆本編

 時は戦国。1546年。尾張で織田信長が元服を終えたころ、越後では春日山城に長尾景虎(後の上杉謙信)が、兄晴景に呼ばれていた。

景虎「兄上、お話というのはなんでございましょう。」

晴景「うむ。お前に一人従者をつける。」

景虎「はあ。」

晴景「そら。挨拶するがよい。」

もんちっち「はじめまして。僕、景虎様の大ファンです。約450年後にホームページ開きます。よろしくお願いします。」

※このホームページの事。そんな事言われても当時の人が分かる訳がない。

景虎「????この者は頭がおかしいのですか?」

晴景「さあて?とにかく話はそれだけじゃ。さっさと栃尾城に帰るがよい。返品不可じゃぞ。」

 こうして景虎様は、このおかしな男を旗本に入れる羽目になった。

景虎「兄上のご命令で、しばらくこの栃尾城を発展させよとの事じゃ。」

もんちっち「ではこのサルめにお任せ下さい。」

※「もんちっち」というのもあるが、おそらく秀吉気取りなのであろう。

景虎「内政特技もなく、政治力も30足らずの貴様一人で何が出来る。お前は我々の手伝いをしておれば良い。」

※正確には政治34、戦闘27、采配31、知謀36と一兵卒の能力値と全く変わらない。役立たずもいいところである。

 何とか手柄を立てて景虎様に誉めてもらいたいもんちっちだったが、何しろ能力値がすべて30台の低空飛行では満足な仕事が任される筈もなかった。

 そうこうしている間に栃尾城をはじめ、越後の重要拠点となる城の内政はそれなりに終了した。

景虎「サル。このしばらくの間の周囲の状況はどうなっておる。」

もんちっち「はい。本願寺によって足利幕府が滅ぼされました。また、近隣では武田晴信により南信濃の小笠原家が滅亡しております。」

景虎「むう。ならば村上家と手を組み武田の北上を阻みつつ越中から北陸道を制圧していく事といたそう。」

もんちっち「ではさっそく使者を出しましょう。この私めにお任せ下され。」

景虎「お前などが行ったら義清殿に失礼じゃ。ここは直江実綱に任せる。」

 こうして、長尾村上同盟が締結し、景虎をはじめ柿崎景家、斎藤朝信、鬼小島弥太郎、宇佐美定満ら長尾家の誇る名将達が富山城征圧へと向かった。

もんちっち「それ、一番槍じゃ。手柄を立てて出世するぞ!」

朝信「功を焦ったもんちっちが深入りしすぎて捕らわれた模様です!」

景虎「全く…。あんなザコでも捕まると士気が低下するのが痛い。まあ、サルが反対方向の門に敵を引きつけてくれたおかげでこちらは手薄じゃ。一気に進入し、本丸を制圧せよ。」

※たとえ兵が残っていても士気が0になると負け。もんちっちぐらいの能力の武将は本当は戦争に参加させない方がマシなのだ。

 城門を破られては、長尾軍の猛将達を食い止めるのは土台不可能な話である。

 こうして幸先良く越中を攻略した。捕虜となっていたもんちっちも救出された。

もんちっち「おかげで助かりました。」

景虎「弱いくせに無茶をするからじゃ。」

 そのころ、春日山城では晴景の娘美虎が武将として取りたてられていた。

※「みこ」と読んで下さい。

 万能型で、特に政治力に優れている。

美虎「景虎様。これからよろしくお願い致します。」

景虎「うむ。なんとしても兄上を天下人にして見せよう。」

 斎藤朝信らに富山城の守りを任せ、景虎は飛騨へ攻め入る事にした。

景虎「このまま北陸沿いに京を目指した方が良いのではないか?」

もんちっち「いいえ。ここは飛騨から美濃へ行くルートを取りましょう。我々が稲葉山城を押さえておけば、武田や織田の勢力拡大をけん制する事が出来ます。それに、ほっとくと織田と斎藤が婚姻関係になる恐れがありますんで。」

 ここからは一本道という事もあり、城の守りは気にせず一気に飛騨を占領。しかし、景虎が飛騨を制圧する間に武田軍が斎藤を滅ぼして稲葉山城を占拠してしまっていた。

景虎「こら、サル!話が違うではないか。先に晴信めに進撃路を塞がれてしまったぞ。」

景家「さすがは疾き事風の如くでござるな。」

もんちっち「いや、でも待ってください。ちょうど今武田軍は稲葉山を落としたばかり。兵力も疲弊しており、城の防御度もボロボロです。今なら一気に攻め込めば簡単に落ちますぞ。」

 かなりやぶれかぶれな戦法だったが、景虎の怪物的戦闘能力のおかげで何とか稲葉山城を奪った。

 この戦いで、武田軍の内藤昌豊や高坂昌信といった良将を捕らえたがいずれも部下にならない。

 プレイヤーとしては斬ってしまいたいが、謙信でプレイしている以上斬る訳にはいかず、泣く泣く逃がす事にした。この稲葉山攻めの直前にイベントが発生して晴景から景虎に代替わりしていたのだ。

景虎「しばらくここで小休止だな。」

 戦詰めだったため国力はかなり疲弊している。また美濃から飛騨、そして越中までを道でつながないと補給もままならない。

 この間、内政に励む。

 他国では、織田家が信秀から信長に代替わりし、各地の小勢力が次々と大勢力に併呑されていった。※後の九州の覇者、島津家が大内義隆に滅ぼされるという番狂わせもあった。

 さて、このころ武田に滅ぼされて行き場を失っていた斎藤道三が配下に加わった。

景虎「これで軍師が出来たな。サル、お前もう国に帰ってもいいぞ。」

もんちっち「そんな。やっと部将にまで出世したのに。」

※いろいろ仕事をさせてたらここまで出世した(いつの間に…。)。

景虎「はっはっは。冗談だ。だが部将として多くの兵を率いるのに、お前のような能無しでは付いていく兵が哀れじゃ。不本意だが武器と兵装品をくれてやろう。」

 こうしてもんちっちの能力値は大幅にアップした!(といっても弱い事には変わりないが。)

※もったいないがあまりに役に立たないためかなりいいアイテムを与えた。部将は兵を多めに持てるのでそこそこには使えるようになった。

 京への道を閉ざされた武田軍は、方針を変え地固めに入っていた。

 頻繁に北信濃の村上家を攻撃する。

 春日山城にはもんちっちクラスのザコ武将しか残していなかったので、これでは村上の援護をするには心もとない。※それでも、もんちっちよりはマシですけどね。

景虎「サル。どうすべきじゃ。」

もんちっち「京では本願寺が一大勢力を作っています。今ここに武田と戦いつつ上京するのは危険です。本願寺は浅井家を盾にして防ぎ、武田勢力を弱める事に全力を注ぎましょう。」

景虎「うむ、あい分かった。まずは後方の憂いを無くそう。ならば村上殿を楽にするためにも、美濃から武田の南信濃を奪い信濃へ晴信が進めないようにしようぞ。」

もんちっち「林城には道三殿の息子の義龍殿がおります。内応させましょう。」

※史実では道三は義龍に殺される。

景虎「わしも手が空いておるゆえ、木曾義康を内応させておこう。」

 彼ら2人の裏切りにより武田の前線基地南信濃はあっさり景虎の物となった。

 また、この間に越中の斎藤朝信と美虎姫らが苦戦の末、堅城能登七尾城を陥落させた。

景虎「良い具合じゃ。武将も数が増えてきた事だし。よし、佐渡に支城を造らせよう。」

 こうして、景虎の命を受け佐渡の金山からの収入を得るため築城が行なわれた。

景虎「サル。良く頑張ったな。褒美に佐渡の新城の城主に取りたてて遣わすぞ。」

もんちっち「そんな。それはていのいい左遷じゃないですか。そばに置いて下さいよ。」

景虎「ちっ。バカだから引っかかると思ったのに。」

 どうもこの疫病神は景虎から離れそうもない。

 佐渡の金山からの収入を得て、生産国ではもっぱら朝廷工作にて景虎の官位を獲得する方針である。

 武田軍はちょこちょこ3000人程度の小部隊で南信濃に攻撃をかけては来るが、主戦力は景虎との戦いを避け北条領を切り取っていた。

景虎「晴信めの主力は今関東にある。このスキに甲斐も制圧してしまえ。」

 景虎来たるの報を聞き晴信本人が慌てて帰還してきたが、主戦力は関東にあるため合戦らしい合戦もしないまま甲斐は長尾家の領土となった。

※甲斐にも金山がある。

 さて、この間に異変が発生していた。

 上野の山内上杉家が、村上家と交戦状態に入ったのだ。

景虎「むう、相手は関東管領様か…。」

もんちっち「迷う事はありません。義清殿からも援兵の催促が来ております。村上に味方しましょう。」

 こうして、村上の援護という大義名分を持って、山内上杉軍を撃退し、勢いに乗じて越後から上野を征服してしまった。

 山内上杉憲政は景虎に従った。

 それどころか景虎に関東管領の位を譲ったのだ。

もんちっち「あれだけの事をされておきながら関東管領を譲るとは、懐が深いというか、プライドがないというか…。」

景虎「懐が深いのであろう。ところで今日から上杉謙信と名乗るぞ。以下の文では景虎ではなく謙信と表記するように。」

 関東管領上杉謙信が誕生したころ、北陸戦線も加賀を占領していよいよ上京の体制が整った。

 近畿の唯一の盟友浅井家は本願寺によって滅ぼされ、ついに上杉、本願寺本部が直接交戦体勢に入った。※支部とはすでに加賀で戦っている。

謙信「さて、どうする。」

もんちっち「もう我々も大勢力。そろそろ武田、本願寺の2方面作戦を展開しても良い頃かと。」

謙信「うむ。では、武田は柿崎景家、斎藤道三らに任せ我々は本願寺を突破し上京するとしよう。」

 上杉が本願寺と衝突するとこれまで本願寺に苦しめられていた織田信長も歩をそろえて南近畿から本願寺を攻撃する。

 この時関東戦線で大変な事件が起こった。

もんちっち「たいへんです!柿崎様からの報告によりますと、斎藤道三が武田の調略によって裏切ったとの事です!!」

※斎藤道三は謙信と相性が悪く、信玄と良いのだ。

謙信「くっ。何という事じゃ。これでは景家が危ない。至急北陸から美虎を呼び寄せて本願寺に睨みをきかさせろ。わしは一度関東へ赴き信玄坊主に一撃食らわせてくれる。」

 この謙信の行動は当たった。本願寺は織田軍との戦いで身動きが取れなかったので、謙信がいなくても戦況は不利にならなかった。

 一方、謙信は甲斐から関東の武田領を攻撃。上野から、柿崎景家、長尾政景の二面攻撃で、一気に3軍をもって武田領を襲撃した。わずか半年ほどで信玄は常陸1国に追いこまれた。

もんちっち「信玄は水戸城に約二万の軍勢で閉じ込めました。」

謙信「もう信玄は敵ではない。ひとつの城に二万も軍勢を残しては兵を食わせてやる事も出来まい。政景殿に水戸城の兵糧がなくなり次第攻撃をかけさせよう。今度こそ京に上るぞ。」※ひとつの城にこれだけ兵を置くと大体兵糧が大赤字になる。

 こうして、謙信はたくさんの優秀家臣団プラスもんちっちを引き連れて京に上った。

※改めて言うまでもないがもんちっちは優秀ではない。

謙信「朝廷に掛け合って本願寺を朝敵とする事に成功したわ。」

 唯一謙信に対抗できる勢力だった本願寺はこの謙信の朝廷工作によって四面楚歌に陥り、衰退の一途をたどる。もはや日の本で謙信に逆らえる勢力はなくなったのだ。

謙信「朝廷から征夷大将軍の位も頂いた。後は旧時代の残党どもを一掃するのみじゃ。」

 また、長年の朝廷功作が物を言い、ついに関白にも任ぜられた。

もんちっち「お館様おめでとうございます。いや、将軍様と呼ぶべきですか。」

謙信「各地の戦況はどうなっておる。」

もんちっち「織田、北条はそれぞれ駿府城、小田原城に閉じ込めました。中国四国東北への軍勢も連戦連勝です。おそらくあと数年もすれば全国制覇達成となるでしょう。」

※ここまでくれば天下は取ったも同然である。

 下の者が上の者に取って代わる戦乱の世に終止符を打ったのは、雪国越後が生んだ一人のロマンチストであった。

 

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