演技とも知らずオレ(右)を打ったと思いこんでいる晃司(中央)とゴリラ(松島)(左)
またオレの悪いクセが出ちゃった。
なんでこうオレって、やさし過ぎるんだろう。
このオレ様にとって晃司を抑えるぐらい造作もないことだ。
でも、それをやったらあいつのプライドはどうなる?
ずっと野球を続けてきたアイツが5年(いいえ、4年です)もブランクのあるヤツに負けたら、たとえそれが大天才のオレ様でもショックにちがいない。
下手をしたらそれで野球をやめて、犯罪者になるかもしれない。
いや、なる。←決めつけるなよ。
それをつい考えちまったオレはアイツにわざと打たせちまった。
自分の評価が下がるのもかえりみずだ。
あいつだけに打たせるといくら晃司でもオレの演技がバレちまうから、次のゴリラにも打たせてやった。
ゴリラはオレがわざと打たせてやってる事にも気づかず、得意げにハラを叩いた。
実に目ざわりだ。
だが、これも幼なじみのプライドを守るため。オレはあえて泥をかぶろう。
このあと雨が降ってきてノーゲームとなりオレの敗戦投手は消える。
天がオレの名誉を守った。天はオレの悲痛な胸のうちを知っているからだ。
こうして晃司は犯罪者になり下がるピンチを心やさしい幼なじみに救われたのだ。
うーん、友情だなあ。←じゃあ、前回(15)の日記は何だ。
でも本番では手加減してやらねえぞ。
なんか読んでるうちにコイツが哀れに思えてきたので今回のツッコミは控えめ。