もんちっち劇場






1/1 (木)



 こんにちは、みなさん、新年明けましておめでとうございます。

 現在、お世話になってるサイトさんへ送る寒中見舞いの作成中のもんちっちです。

 先月頭に12月のスケジュールを立てたものの、結局オリフェの提出の約束を守るのと、劇場の更新だけで精一杯になってしまいまして奮戦気やら錦馬超やら歴史クイズやらが間に合わず申し訳ありませぬ。

 ちょっと師走を舐めすぎてたか・・・。



 さて、昨日ナゴヤドームで行われた「K-1 Premiumstage Dynamite!」。

 え、そんなの観る時間あるんじゃねーか、って?ごめんなさい、こればっかりはずっと前から楽しみにしてたモンですから、どうかご勘弁を。

 ワシの好きな須藤元気選手、アーネスト・ホースト選手、ボブ・サップ選手、んで注目の曙選手らが登場するので、迷うことなく大晦日のテレビはこれを選びました。

 いやー、特に感激したのが須藤元気選手ですなー。110キロの体重差に挑むだけでも凄い事なのに(何しろ階級が違う)、その差をものともせず見事ギブアップを奪って勝利!

 しかも、須藤選手の今日の勝負パンツ(笑)は、たしか魔裟斗戦でも出てきた「毘沙門天パンツ」。おしりの部分に毘沙門天の「毘」の文字が書いてあるアレです。

 須藤選手は歴史が大好きみたいなので、間違いなく上杉謙信をイメージしたものと思われる。うははー、好きな選手と、好きな歴史人物がリンクしたから嬉しいなぁ(謎)。見事謙信公のご加護がありましたな(笑)。

 でも、勝って当たり前、負ければ赤っ恥っていう目で見られる戦いに承諾したバター・ビーン選手も勇気のある選手だなと思いました。ラストのボブ・サップ選手にもいえるかも。

 やっぱりボブ・サップVS曙戦は結果だけ見れば大方の予想通りではありましたが、でも正直わずか2ヶ月の特訓期間、それも2年のブランク、ひざの故障などを抱えて、あそこまで立派に戦えるとは思ってなかったっス、曙選手。

 ボブ・サップ選手は最初リップサービスで「相撲ルールでもかまわないぜ。」と言ってたけど、まるっきり体当たりではかなわずコーナーまで吹っ飛ばされてたからなぁ、相撲ルールにされなくてよかったね(笑)。あんなに力負けしてるビースト見たのは初めてじゃわい。さすが横綱。

 ただ、やはり手数やガードの差が出た感じやな。ボブのパンチは重いし、止まらないからねぇ。

 心配してたローキックなどでひざが破壊されるんじゃないかとかいうような事もなく無事終了できたので、今度はじっくり1年ぐらい鍛えて、K−1選手としての肉体に改造した曙選手を見てみたいですな。もちろんガードとか、ラッシュとか、ペース配分とか覚えなきゃいけないことはたくさんあるだろうけど、さすがに圧力とパンチ力は素晴らしいものがあったから、面白い選手になるかもしれない。

 また、ボブ・サップ選手は今年は強いビーストの復活を見せて欲しいところでふ。





1/2 (金)



 とるこ:

 
「大変だーっ!!」


 うべべ:

 「ど、どーしたズラ、新年早々。」


 とるこ:

 「どーしたもこーしたもあるか!ババアがいねえってことは、今年はお年玉が貰えねーってことじゃねーかーっ!!」



 うべべ:

 「な、何を今さら・・・。
(汗)


 とるこ:

 「しまった〜〜〜っ!ババアなんぞ帰ってこなくてもいいが、ゼニだけは欲しい・・・。」



 うべべ:

 「つくづく外道だな、おめ。」


 とるこ:

 「最高の褒め言葉だぜ。」



 うべべ:

 「あ、そか。小悪魔だったズラ。」


 とるこ:

 「こうなったら仕方がねえ。お年玉を回収して回るしかあるまい。」



 うべべ:

 「うべぇ〜、またズラかー?以前のハロウィンでもう懲りてるズラよー。」


 とるこ:

 「けっ、あの時も言っただろ。『キジも鳴かずば撃たれまい』『出る杭は打たれる』。何事も積極的に打って出んと道は開けんのだ。」



 うべべ:

 「前の時も、ここで使うことわざは『虎穴に入らずんば虎児を得ず』ズラってツッコんだ覚えが。」


 とるこ:

 「そーだっけ?とにかく、これから回収に行くぞ!このままだと収入ゼロだ!おらーっ!早く出かける準備しやがれ!」



 うべべ:

 「ひ、一人で行けばいいじゃねーズラか!オラ、もうあんな怖い思いすんのいやズラ!」


 とるこ:

 「・・・いーから来いよ、バカ!お前、このままだと腰抜け街道一直線だぞ!」



 うべべ:

 「いでででで!羽引っ張るでねぇ!!」



 とるこも一人で行くのは心細いのだった。





 とるこ:

 「では、これより作戦会議を行う。」



 うべべ:

 「おお、前回より慎重ズラね。」


 とるこ:

 「オレだって、あんな思いすんのはゴメンだからな。」



 うべべ:

 「ズラ。」


 とるこ:

 「まず・・・ゼニ持ってんのは、クイーンと麗羅と鳴隼だわな。ただ、クイーンは怖い、麗羅はムカつく、鳴隼は危険・・・つーか死地だ。」



 うべべ:

 「ここはハイリスクハイリターンズラね。」


 とるこ:

 「おう。でも、オレだって新春早々命は落としたかねーからな。特に鳴隼は避けたい。」


 うべべ:

 「もっと優しい人の方がいいズラ。」


 とるこ:

 「・・・うーん、そうだな・・・。」



 うべべ:

 「オラとしてはエープさんがいいかと・・・。あの人一見キツそうだけど意外に優しいズラ。」


 とるこ:

 「・・・・・・でもよ。あそこゼニあんのか?」



 うべべ:

 「うべ?」


 とるこ:

 「オレの予想では、エープは全てのゼニをベータにお年玉として奪われてるとみた。」



 うべべ:

 「ま・・・、まさか、そこまでは・・・。」




 ベータ:

 「うおーっ!お年玉競輪で全部スっちまった!ここはもう一度リベンジだ!エープ、この金持っていくからな!」



 エープ:

 「ちょっ!ちょっと待って!それは今月の生活費・・・!」


 ベータ:

 「心配すんな!10倍にして帰ってきてやらーっ!」



 エープ:

 「ダメだって!兄貴すでにドツボモードに入ってるって!!」


 ベータ:

 「うるさーい、兄ちゃんを信じろ!!オレには分かる、今オレにはギャンブルの神様が舞い降りてきとる!負ける要素はねえ!!なーはははーっ!!」



 
―――――。


 ベータ:

 「わり、全滅した。まあ、年も変わった事だし、初心に返ってイチから稼いでくれたまい。」



 エープ:

 「殺しちゃうよ?」



 舞い降りたのは貧乏神だった。



 うべべ:

 「じゃあ、黒星山さんはどうズラか?」


 とるこ:

 「あいつもねぇな。相撲取りって十両とかいうランクにならねーと給金もらえねーらしいじゃん。」



 うべべ:

 「じゃあ、明美さんとかは。」


 とるこ:

 「学生はダメだろ。麗羅は金持ちだから当たる価値はあるかもしんねーけど、他はダメだな。」


 うべべ:

 「ズラ〜。じゃあ、美咲さんたちもダメズラか。」


 とるこ:

 「ん?待てよ。美咲の親父がいたな。案外あーゆータイプは気前よくくれるかもしれん。よし、キープだ。」



 うべべ:

 「でも、美咲さんは毎年お年玉貰ってないらしいズラよ?」


 とるこ:

 「それがどーした。」



 うべべ:

 「じ、実の子が貰ってないのに、よその子供が貰いに行くというのは・・・あまりにも図々しいというか・・・。
(汗)


 とるこ:

 「あのな。他所の家に金をせびりに行く時点でじゅーぶん図々しいんじゃ。今さら小せぇことにこだわるな。」



 うべべ:

 「そ、そうズラな・・・。」


 とるこ:

 「クセルクセスもいーんじゃねえか?」



 うべべ:

 「こ、怖いズラよ〜。」


 とるこ:

 「いや、このオッサンは怒らせなきゃ大丈夫だと思う。意外と話の分かる奴だ。」



 うべべ:

 「そうズラか?」


 とるこ:

 「・・・・・・多分。」



 うべべ:

 「た、多分ズラか・・・。小諸忍群の人たちはどうズラ?」


 とるこ:

 「あそこもゼニはねえ。」



 うべべ:

 「そ、そうなのけ?」


 とるこ:

 「この前伍助がフルーツパフェ食った時に、感激して店内で号泣したらしい。こんな奴が金持ってるわけがない。所詮弱小忍群だ。」



 うべべ:

 「・・・・・・うーん、他は・・・・・・。ぐ、グリセリンお姉さん・・・。」


 とるこ:

 
「パス!ある意味鳴隼以上の地獄じゃねえか!!」


 うべべ:

 「あー、良かった!行くとか言い出さなくて!」


 とるこ:

 「よし、決まったな。クイーン、麗羅、クセルクセス、美咲の親父を当たってみるとしよう。」






 ためごろう:

 「クセルクセス様はぁ、市長さんですからぁ。今日はえらい人たちとの新年会に出席してお留守ですよぉ。」



 とるこ:

 「ガーン!い、一番の頼みの綱が・・・!」



 うべべ:

 「ズラ〜。」






 麗羅:

 
「おーっほっほっほっほっ!物乞いが来ましたわよ!笑っておやりなさい、おーっほっほっほっほっ!」


麗羅の使用人たち:

 「わっはっはっはっはっ!うっひゃっひゃっひゃ!げっへっへっへっ!」



 うべべ:

 「む、ムカつくズラー!!」


 麗羅:

 「でも、どうしても、というのなら、チャンスを差し上げてよ。」



 とるこ:

 「チャンス?」



 麗羅:

 「私の靴を舐めて哀願することね、
うおーっほっほっほっほっ!


 うべべ:

 「ば、馬鹿にするでねーっ!とるこ、やっぱりここにきたのは間違いズラ!別のところへ・・・」


 とるこ:

 「ぷるぷる・・・」
←靴をなめようとしてる


 うべべ:

 「うべーっ!?ま、またこのパターンズラか!少しは魔界のプリンスとしてのプライドを持つズラーっ!!」


 とるこ:

 「うるせーっ!すでにオレはボロぞーきんのよーに親父に捨てられたわ!何が魔界のプリンスだ!」



 麗羅:

 「おっほほ!醜いこと!
ぅおーっほっ!ほっほ!おーっほっほっほっほっほっほっほぐわっ!?


 クイーン:

 「痴れ者が。新年早々から不愉快な騒音を撒き散らすな。」



 麗羅:

 「お、覚えてらっしゃいクイーン謙ジェル・・・
がくっ。」


 とるこ:

 「おお、ちょーどいいところへ。」



 うべべ:

 「(な、なんかハロウィンの時にまったく同じパターンがあったような・・・、デジャヴ?)あけましておめでとうズラ。」

 
 クイーン:

 「フン。別にめでたくなどないがな。」



 うべべ:

 「相変わらずキツいズラ!」


 とるこ:

 「それより、お年玉くれ。」



 うべべ:

 「あっ・・・!バカっ!」


 クイーン:

 「・・・・・・貴様ほど建前のない男も珍しいな。」



 とるこ:

 「けけけー。どっちにしろ最終的には同じ事を頼むわけだからな。まわりくでーことは嫌ぇだ。」



 クイーン:

 「フン。それは同感だな。貴様のその正直さに免じてくれてやるわ。」
←財布を取り出す


 うべべ:

 「おおっ!ありがとうズラ!」


 とるこ:

 「けけけー、やったぜ!やっぱり、この
おばさんなら話せば分かると思ったんだ。」


 うべべ:

 
「だっ・・・!煤i○□○;;;)


 クイーン:

 
(ピシッ・・・!)おばっ・・・!!」


 とるこ:

 「んあ?」



 クイーン:

 「今、貴様・・・なんと言った・・・・・・。」



 うべべ:

 「あ・・・、あわわ・・・。あわわわわわわ・・・。」


 とるこ:

 「あー?ンなコタいいから、もったいぶってねーで早く出せよ、
おばさん。」


 うべべ:

 
「うわ――――っっっ!!」

 クイーン:

 
「だっ・・・、誰がおばさんだ!私はまだ19だ!!」


 うべべ:

 
「ぎゃーっ!!こ、殺されるズラーッ!!」


 とるこ:

 
「嘘ォ!!?30ぐれーだと思ってた!!」


 クイーン:

 
「まだ言うか貴様ーっ!!」


 
どがががーっ!!


 麗羅:

 
「いやーっ!やめてーっ!私の屋敷がーっ!!」


 うべべ:

 「ひィーっ!!とるこ、おめー、もう喋んな!!」


 とるこ:

 「しょ、正直がいいっつーから正直に言っただけじゃねーかよ!!」



 ユース:

 「あ、クイーンさん、あけましておめでとうございます!そうだ、親戚の
おばさんがみかんをたくさん送ってくれたので良かったら食べてくだ・・・え?」


 クイーン:

 
「貴様もか〜!」


 ユース:

 「え・・・!?い、一体何が・・・
ぎゃあああああ!!


 うべべ:

 「あ、怒りの矛先がユースさんに・・・。」


 とるこ:

 「正月からツいてねーな、アイツ・・・。」






 とるこ:

 「というわけで・・・、ここが最後の砦となったわけだが。」



 うべべ:

 「でも、オラたちよく考えたら美咲さんのお父さんとは面識ないズラよ。」


 とるこ:

 「美咲に仲介してもらうしかあるまい。」



 うべべ:

 「しかし、うまい具合に美咲さんが出てきてくれるとは・・・。そもそも美咲さんの時点で断られるかも・・・。」


 美咲:

 「よう。人んちの前で何してんだ。」



 とるこ:

 
「うお!」


 うべべ:

 「ま、まさか後ろからくるとは!」


 美咲:

 「初詣の帰りだ。ははーん、さては親父にお年玉を貰いにきたな。」



 とるこ:

 「鋭え!」



 うべべ:

 「あつかましくてすみません。」


 美咲:

 「よし、じゃあ入ってきな。今なら親父も酒くらって機嫌もいいだろーし。」






 美咲:

 「おい、親父ー。」


 みさきパパ:

 「あん?なんだ、その後ろのチビっけぇのは。おめーの連れ子か。ヒック。」



 美咲:

 「アホかお前は。」


 みさきパパ:

 「それにしてもつまんねーなぁ。野球選手は体が資本だとか訳の分からんこと言って、いっつもオレとの『正月恒例、お年玉争奪酒飲みバトル』に参加しやがらねえ。順平はちゃんと付き合ってくれんのによォ。」



 
よく見たら部屋の隅っこで屍と化している順平の姿があった。


 美咲:

 「喜べ、クソ親父。今年は二人のチャレンジャーがいるぞ。」


 うべべ:

 
「い!?」


 みさきパパ:

 「おおーっ!それがそいつらか!おう、よく来たよく来た!順平も酔いつぶれちまって、一人で飲んでてもつまんねーからなぁ!がっははは、まあ、こっち座れや!」


 とるこ:

 「うぐっ!酒くせえ!」



 うべべ:

 「こ、子供はお酒をのんじゃダメズラよ・・・!」



 みさきパパ:

 「がははは!正月から堅苦しいこと言うなって!オラ、まずはお近づきのしるしに一杯!」



 美咲:

 「頑張れよ。10杯ぐれー飲めば結構もらえるぜ。」


 とるこ:

 「ごくっ・・・うげぇ、なんだこれ!まずい水〜!」



 うべべ:

 「がはぁ!の、喉が焼けるズラ〜!」



 みさきパパ:

 「がはははは!それがうめーんじゃねえか!」



 とるこ:

 「く、くっそ〜!負けてたまるか。ここで引き下がったら今年のお年玉はゼロだ・・・!ぐぐーっ!」



 みさきパパ:

 「おお、いい飲みっぷりだなぁ!がははは!オラ、遠慮すんな、どんどん飲めや!」



 うべべ:

 「ひいーっ!」



 とるこ:

 「ぐぁー、ちきしょー!矢でも鉄砲でも持ってこーい!」



 みさきパパ:

 「よーし、その意気だ坊主!おーい、かーさん!どんどん開けてくれ!」



 みさきママ:

 「あらあら、楽しそう。」


 うべべ:

 「うぷっ、つ、辛いズラ・・・。し、しかしとるこ一人に頑張らせるわけには・・・お、オラももう一杯!」



 みさきパパ:

 「頑張るじゃねーかチビっ子ども!おめーら気に入ったぜ、がっはっはっはっ!よっしゃ、今日はジャンジャン飲むぞぉ!!」



 とるこ
 &  うべべ

 
「ぎゃっはっはっはっ!ダンナ、こーなりゃとことん付き合いますぜ!!」←ヤケクソ


 美咲:

 「アル中への第一歩だな。」






1/7 (水)



 美咲:

 「おっちゃん、久しぶり。」


 おっちゃん:

 「おう、ミー助じゃねーか、何しにきたんだ。」



 美咲:

 「中華屋に来て、何しに来たはねーだろ。」


 おっちゃん:

 「はっははは、そりゃそうだ。後ろはお前の連れだな。」



 神田:

 「うーっス!久しぶりっス!」



 明彦:

 「こんにちは。」



 明美:

 「あ〜、もうおなかペコペコ〜。」



 おっちゃん:

 「おう、どんどん食ってくれよ。不景気で売上がへこんでっからよー。」



 明美:

 「あたしラーメン。」



 美咲:

 「オレも。」


 神田:

 「オレはチャーシューメン。」



 明彦:

 「ぼくは天津飯で。」



 明美:

 「あとはー、春巻き頼んでみんなで分けよっか?」



 神田:

 「そーだな。」






 神田:

 「ふー、食った食った。」


 美咲:

 「支払いどーする?」



 明美:

 「そりゃもちろん、健全な高校生はワリカンでしょー。」



 明彦:

 「えーっと、ラーメンが
400円×2で、天津飯が530円。チャーシューメン550円の、春巻き600円だから・・・2480円。一人620円だね。」


 美咲:

 「そっか。」
←財布取り出し中


 神田:

 「620円・・・っと。」


 明美:

 「・・・・・・ちょっと待った。」



 美咲:

 「ん?」



 明彦:

 「あれ?どこか計算違ってた?」



 明美:

 「いや、アキちゃんの計算はいいんだけど・・・。ちょっと納得いかないわ。あたしはラーメンと春巻きの4本のうちの1本を食べたわけだから、
400+600/4=550円・・・。70円損してるじゃない!!」


 美咲 
&  明彦 &  神田

 
「い!?」


 明美:

 「それに引き換え、トシなんか700円のところを620円なんだから80円も得してんのよ!?
これはおかしい!不公平だわ!!


 おっちゃん:

 「(こ、細けえな〜、あのねーちゃん・・・。)」



 美咲:

 「別にいーじゃねーか、そんな誤差。」



 明美:

 
「よかなーい!大体、美咲!アンタも70円損してんだからね!そこんトコちゃんと分かってんの!?70円あれば国によっては家建つわよ、家!!」


 美咲:

 「お、おう・・・。」



 おっちゃん:

 「(うおおっ!信じらんねぇ、あのミー助が迫力に押されてやがる!)」



 明美:

 「と、いうわけでぇ、あたしはオレンジジュース
(200円)を追加しまーす!おじさん、よろしくぅー!」


 
ごくごくごくごく。


 美咲 &  明彦   神田

 「・・・・・・・・・。」



 明美:

 「ぷはーっ!じゃあ、集計お願ーい!」

550円
680円
700円
750円
負担額 670円

 神田:

 
「異義あり!!」


 明彦:

 「『逆転裁判』風!?」



 神田:

 「これじゃ、結局つりあい取れねーじゃねーか!今度はてめーが80円も得して、美咲なんか120円に損害が拡大してやがんぞ!!」


 明彦:

 「あ、ほんとだ・・・。美咲さんの一人損になってる・・・。」



 明美:

 「るっさいわねー。男がいちいち小さい事くどくど言うんじゃないわよ。」



 おっちゃん:

 「(やるな、あのねーちゃん。さっきは自分が言ってたことを、男女のプライドで話をすり変えようとしてやがる。)」



 神田:

 「とにかく、明美に一番いい思いさせるのは我慢ならねぇ!オッサン、ギョーザ
(350円)追加だ!」


 明美:

 
「なっ・・・、何ィーっ!?意趣返しで来たかーっ!!煤i○□○;)

550円
680円
1050円
750円
負担額 757、5円

 明美:

 
「ぎゃああああっ!!だっ、大逆転されたぁあ!!」


 神田:

 
「ぎゃはっはっはっ!どうだぁ、オレ様の一人勝ちだぜぇ!!」


 美咲:

 「アホらし。」



 明美:

 「お、おじさん!ラーメン
(400円)おかわりーっ!」


 明彦:

 「
煤i○□○;)!!」


 神田:

 「なっ・・・!この野郎、臆面も無くもう一度点心じゃなくてメインを追加しやがるとは!!」


 明美:

 「ふふふふ・・・。どう、トシ?アンタにここまで容赦ない攻撃ができて?」



 神田:

 「おおおお、オッサン!チャーシューメン
(550円)おかわりだ!今度は大盛り(200円上乗せ)にしてくれ!!」


 明彦:

 
「嘘ォ!?」


 神田:

 「へっへっへっへっ!同じおかわりなら、値段の高ぇオレ様のが有利だぜ!」


 明美:

 「かっ・・・神田俊也ぁーっ!貴様、それでも人間かーっ!!その上、大盛りにしやがるとはーっ!!」

550円
680円
1800円
1150円
負担額 1045円

 明美:

 「きゃーっ!トシとの差が650円までーっ!もう1品頼めるじゃないのーっ!」



 神田:

 「ぎゃっはっはっはっ。思い知ったか、強欲女が!」



 明美:

 「美咲ーっ!アンタこのまんまでいいの!?ほとんど一人あたまの負担額が、アンタの食べた分のダブルスコアになってるわよ!共に戦うのよーっ!悪の神田俊也に鉄槌をーっ!!」



 美咲:

 「別にどうでもいいっつーの。くっだらねえ。」


 明美:

 「むーっ!美咲ーっ!このまま、トシの思い通りになる気!?このままじゃアンタ、負け犬よっ!!」



 美咲:

 「なにィ!?」


 おっちゃん:

 「(おお・・・、うめぇ!一番ミー助を奮い立たせるのに効果的な言葉だ!心得てやがんなァ。)」



 美咲:

 「上等だ・・・。ほえ面かかしてやる。おっちゃん!カラアゲ
(900円)追加!あ、分けなくていいぜ、オレ一人で食うから。


 おっちゃん:

 「あいよーっ!毎度ありぃ!」



 明美:

 
「ぎっ・・・、ぎええええーっ!?い、いきなり900円の荒業をーっ!?しかも独占攻撃!!」


 神田:

 
「や、やべぇーっ!眠れる獅子を起こしちまったぁーっ!!」


 美咲

 「あ、それからライス大盛り
(210円)も。」


 明彦:

 「
小技も欠かさない!!」


 神田:

 「恐ろしい!なんて容赦ねぇ攻撃だ!」

1660円
680円
1800円
1150円
負担額 1322、5円

 明彦:

 「い、一気にトップと140円差の2位に踊り出たーっ!!」



 明美:

 
「ひぃいいいーっ!あたしの損益がマイナスになっちゃったじゃないのーっ!!」


 美咲:

 「わはははは、ざまーみろ!」


 明美:

 「ま、負けてたまるかーっ!ラーメン
(400円)もう一杯ーっ!」


 明彦:

 「まだ食べるの!?」



 明美:

 「ああ食べるさ!食べてやるとも!この戦いに撤退路はないんじゃあ!」


 明彦:

 「(ま、まずい・・・。このままだとボクだけとんでもなく大損していくような気がする・・・!)お、おじさん・・・!八宝菜定食
(1100円)お願いします!」


 おっちゃん:

 「おおーっ!豪気だねぇ!」



 美咲
 &  神田 &  明美

 
「なっ・・・!て、定食で攻めてくるとはーっ!!」


 神田:

 「このガキ、大人しそうな面してとんでもねぇ大悪党だ!!」



 明美:

 「鬼畜っ!アキちゃん、鬼畜ーっ!」



 明彦:

 「ひ、酷い言われようだ・・・。」



 美咲:

 「はっはっはっはっ!面白くなってきやがった!中華風サラダ
(850円)追加だ!」


 明美:

 「あたしはチャーハン
(500円)追加!ええーい、こうなったらあとで吐いてでも食いまくってやるぅーっ!!」←本末転倒


 神田:

 「負けねぇぞ!負けてたまるかよォ!エビチリ
(1300円)追加してくれ!!」


 明彦:

 「おじさん!イカと野菜のカラシ炒め
(1000円)お願いします!」



―――中略。



 明美:

 「も・・・もう駄目・・・。もう食べきんない・・・。」



 神田:

 「お、オレもだ・・・。だが・・・、どうやらこの勝負、オレに軍配が上がったようだな。」

5270円
4980円
5830円
5050円
負担額 5282,5円

 美咲:

 「どうかな。まだ勝ったと思うのは早ぇぞ・・・。」


 神田:

 「へっ、ぬかせ!てめーだってそろそろ限界だろ。」



 美咲:

 「おっちゃん!エビ天
(1100円)追加!持ち帰り(容器代20円プラス)で!」


  明彦 &  神田 &  明美

 
「う・・・うわあああああ―――っ!!そっ、その手があったか―――っ!!」


 明彦:

 「ぼ、ボクも持ち帰りします!そうじゃないと、とても負担額に追いつかない!!」



 明美:

 「負けないわよ!あたしだってジャンジャン持ち帰ってやるんだからーっ!!」



 神田:

 「オッサン、酢豚
(850円)3人前持ち帰らせてくれ!」


 美咲:

 「じゃあ、オレはメニューのこっからここまで持ち帰る!」


 明美:

 「カラアゲ
(900円)5人前ちょーだいーっ!!」





―――最終結果。

 21850円
 20900円
 21330円
 21200円
負担額  21320円


 美咲 &  明彦   神田 &  明美

 「はあっ・・・はあっ・・・はあっ・・・はあっ・・・!!」


 おっちゃん:

 「毎度ォ、全部で85280円だな。どうせ、払い切れねぇだろうからツケにしとくぜ。今度来る時払えよ。」



 美咲:

 「オレらアホだろ。」


 神田:

 「・・・・・・否定はせん。」



 明彦:

 「よく考えたら、
自分の食べた額ずつ支払ってれば良かったね・・・・・・。」


 明美:

 「・・・アキちゃん、そーゆー大事な事は一番最初に言いましょう・・・。」



 おっちゃん:

 「また来いよォー。」




 結局この騒動で一番得をしたのは・・・・・・当然、2480円の売上だったのが85280円までハネあがった店のおっちゃんであった。






1/14 (水)



 クレイステネス:

 「あれ?もう行ってしまうん?」



 ゆきんこ:

 「はっ。お世話になりました。」


 マタタビ:

 「何しろこのあたりの地理に疎いもので、のんびりしてるわけにもいかニャいのですよ。」



 クレイステネス:

 「ふーん。そうやの。あれ?そういえばどこへ向かってはるん?」



 ゆきんこ:

 「日本へ戻るつもりでございますが。」


 マタタビ:

 「しかし、いつにニャったら日本にたどり着けることやら・・・。5年・・・はたまた10年先か。」



 ゆきんこ:

 「気が遠くなりますなぁ、はっはっはっはっ。」


 クレイステネス:

 「なーんや、ほな一緒に行かへん?ウチも日本に用事があって、近々行く予定なんよ。ウチの機械使えばすぐに日本に着くよ?」



 マタタビ:

 「ニャッ!?そ、それはまことでござるか!?」



 クレイステネス:

 「ホンマホンマ。ただ、ひとつお願いがあるんやけど。」



 ゆきんこ:

 「はい。」


 クレイステネス:

 「日本に行く前に、ひとつどうしても完成させておかなあかんメカがあんねん。出発はそれを完成させるまで待ってほしいんやけど・・・。半月ぐらい・・・ダメ?」



 マタタビ:

 「そう言う事ニャら、こちらは一向に構いませんニャ。そもそも我々が歩いても果たして何年かかるか分からニャいし。」



 ゆきんこ:

 「つれて行って頂くだけでもありがたいことでございますのに、どうして不満などありましょうや。」


 クレイステネス:

 「よっしゃ、ほな決まりやね。いやー、良かったわぁ。その作ろうとしとるメカ、前々から製造計画だけは立っとったんやけど、どんな仕上げをするか、イマイチ煮詰まらへんかってん。でも、雪ちゃんに会ってピーンと来たんや。おおきに、よーやくウチも大仕事に取り掛かれるわ。」



 マタタビ:

 「ふむ・・・。日本に行く前に作っておかねばニャらぬ機械ですか・・・。」



 クレイステネス:

 「うん。ウチ、日本にやり残した事があんねん・・・。それも、めっちゃ重要なことが。そのために必要なメカなんや。世の為、人のためにも。」



 ゆきんこ:

 「ほほう。何やら訳ありのご様子ですな。」


 マタタビ:

 「さようでござるか。ニャらば、無理に時期を詰めてはいけませぬ。じっくり時間をかけて納得のいくものに仕上げてくだされ。」



 クレイステネス:

 「うん、でもなるべく早く仕上げるよってね・・・。」



 ゆきんこ:

 「そうだ、私いいことを思いつきました。」


 マタタビ:

 「?」



 ゆきんこ:

 「ここはひとつ、我々もお手伝いするといたしましょう。こちらでご厄介になってからご恩に何も報いれておりませぬし、完成が早まれば出発も近づき一石二鳥でございまする。」


 クレイステネス:

 「え・・・!?」



 マタタビ:

 「おお、それはいい、そうと決まれば、早速拙者もお手伝い致しますニャ!」



 ゆきんこ:

 「いやあ、一度こういう事をやってみたかったのでございますよ。」


 クレイステネス:

 「ちょ、ちょっと・・・!き、気持ちは嬉しいんやけど、ある程度こういう知識がないと・・・」



 ゆきんこ:

 
「はわ!?何やら重要そうな部品がもげてしまいました!」


 マタタビ:

 
「フニャっ!?何やら複雑に入り組んだ所へ、拙者の毛が大量に・・・!!」


 クレイステネス:

 
ああああ―――っ!?
 
あ、あかん、あかんって!!
 
むやみにその辺のに触らんといてぇーっ!!(号泣)


 
完成は予定より大幅に遅れそうだった。

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