もんちっち劇場
10/16 (木)
今回の風邪は手ごわいな・・・。
日曜からずっと続いてる。
正直、たいしたことなくすぐに治るだろうと、たかをくくってた部分があったんで、ここまで長引くとは思いもよらんかった。
一番酷かったのは月曜・火曜かな。だいぶ良くなってきたけど、ぶり返すのが怖いからね。気をつけねば。
今日は買い物のついでにCD売り場を覗いたのだった。
というのもチェンジングマイライフの「エトランゼ」という歌を、京都迷宮案内というドラマのオープニングで聴いて気に入ったので探してみたのである。
ところが。
店の人がパッケージが見やすいように表を向けてばばばーっと並べてあるんだけど、今のバンドとかって大抵バンド名は横文字でしょ?
ひと目で読めません。
しかも、写真のイラストの男性も女性もなーんかみんな似たような顔してるし。
区別がつきません。
歌のタイトルもほとんどが英語だもんねぇ。
どの曲がどの曲かさっぱり見当つきません。
せめてアイウエオ順に並んでれば見つけることも出来るけど、人気順とかで並んでるから、さっぱり目当てのCDはおろか、目当てのグループすら見つけることができなかった。
みんなあんな中から、簡単に自分の欲しいCDをあっさり探し出せるわけ?
もはやワシのようなじじいには住みづらい世の中になってしまったのぅ。
結局手に入んなかったので、今度は別の店に行こう。
10/17 (金)
平井、完封勝利! ・・・・・・・・・ 『阪神優勝』に話題をさらわれる
平井、2試合連続完封! ・・・・・・・・・ 『ダイエー優勝』に話題をさらわれる
平井、月間MVP!! ・・・・・・・・・ 『落合監督就任』に話題をさらわれる
平井、カムバック賞受賞!! ・・・・・・・・・ 『センイチ勇退』に話題をさらわれる
鬼ですか。
ただ、マスコミも日本シリーズを前日に控えたこんな時期にセンイチの勇退をスッパ抜くなんて、いくらなんでも酷すぎと思った。逆に一致団結して燃え上がるかもしれんけど、やっぱり阪神の選手達は平常心では戦いにくいだろう。もう少し人間の常識として配慮してやれんもんかね。
10/18 (土)
七つの海・・・もとい、異次元・亜空間を股にかけ道に迷い続ける、ゆきんこ、マタタビの一行はエルフの隠れ里にたどり着いていた。
ゆきんこ:
「おおっ!?ま、マタタビ殿!御覧なさいませ。ここの人たちは何やらみんな耳が大きくとんがってございまするぞ。」
マタタビ:
「ふむ・・・、どうやらここはエルフの隠れ里のようですニャ。」
ゆきんこ:
「ほほう。この耳のとんがる奇病は『えるふ』と申すのでございますか。」
マタタビ:
「きっ、奇病???何でまた、そんニャ発想に!?」
ゆきんこ:
「おそらく、ここは付近の村々が、その『えるふ』とやらに侵された病人達を捨てていった姥捨て山のようなものなのでございましょう。ううっ・・・、なんと気の毒な・・・。」
マタタビ:
「・・・一度阿雪殿の頭の中身の構造を見てみたいニャ。」
ゆきんこ:
「はて?」
マタタビ:
「阿雪殿はエルフという人種は見たことがニャイのかニャ?」
ゆきんこ:
「は?」
マタタビ:
「ネコ族の拙者を見ても驚かニャかったから、きっといろんニャ人種を見てきたんだろうと思っていたのだが。」
ゆきんこ:
「マタタビ殿はかの有名な佐賀の化け猫でございましょう?」
マタタビ:
「フニャッ!?しっ、失敬ニャっ・・・!!」
エルフA:
「!!キャーっ!!に、人間よっ!人間が侵入してきたわーっ!!」
エルフB:
「た、大変だ!女王様に報告を!!」
ゆきんこ:
「おや、何やら急ににぎわしくなりましたな。楽市でもあるのでございまするか?」
マタタビ:
「しまった、忘れてたニャ・・・。エルフは人間嫌いで有名だったニャ・・・。これは無事ではすまニャいかも・・・。」
エルフ女王:
「あなたたちですか、侵入者というのは。」
ゆきんこ:
「はて?」
マタタビ:
「滅相もニャい。ただの旅の者ですニャ。」
エルフ女王:
「この森に汚らわしい人間を入れるわけにはいきません。即刻出てお行きなさい。」
ゆきんこ:
「だばー(滝涙)」
エルフ女王:
「なっ!?」
ゆきんこ:
「ううっ、分かりまする、分かりまするぞ!おそらく、あなた方はその『えるふ』とかいう奇病のために各地で迫害を受けてきたのでございますな。それで他の人間達に敵意を持つのも無理も無い話でございまする・・・。しくしく。」
マタタビ:
「ギニャーッ!間違った知識が全然修正されてニャい!!」
エルフA:
「な、なんかわかんないけどヘンな同情されてる見たいよ、私達・・・。」
エルフC:
「人間の分際でムカつくわね〜・・・。」
ゆきんこ:
「ですが!希望を捨ててはなりませぬ!人はみな協力して生きていくものでございまする!きっとこの世のどこかにあなた方の病気を心から心配してくださる心優しい人間もいるはず!心を閉ざしてはなりませぬぞ!!強く生きるのです!!」
エルフ女王:
「あの・・・、な、何言ってるのか良くわからないのですが・・・(汗)。」
マタタビ:
「その・・・、決して悪い人間じゃニャいので、あまり気にしニャいでくださいニャ。」
エルフA:
「大体心優しい人間なんているわけ無いじゃないの!人間なんてみんな強欲で自分勝手でいい加減で・・・!!」
エルフC:
「そうそう!それに肉ばっかり食べるでしょ!アレが野蛮だったらないわよね!」
ゆきんこ:
「はて?わたくし、生まれてこの方肉など口に致した事はございませぬが?」
エルフ女王:
「え?」
ゆきんこ:
「基本的に戦国の人間は肉食はいたしませぬ。私の場合鳥肉も食べませぬし。」
エルフA:
「そ、そういわれてみれば、アンタからは肉食のニオイがしないわね・・・。」
エルフB:
「ホントだ・・・。実は悪い人間じゃないのかも・・・。」
エルフ女王:
「(ま、まずいわ!里の者達がだんだん受け入れ始めている!このままでは里の秩序が!!)」
マタタビ:
「ほっ。どうやら最悪の事態は免れそうだニャ・・・。」
エルフ女王:
「だまされてはいけません!」
ゆきんこ:
「はて?」
エルフ女王:
「確かにこの者は肉食はしていないかもしれません。ですが、所詮は人間に違いはないのですよ!それにもう一人のこの者は!」
マタタビ:
「フニャッ!?拙者!?」
エルフ女王:
「そうです!この者から感じるにおいは肉食以外の何物でもありません!!このような者たちを信じてはなりません、目を覚ますのです!!」
マタタビ:
「いや、しかし、拙者はネコ族だからして。」
エルフ女王:
「肉を食べるような野蛮な者どもの言葉など聞く耳持ちませんわ。ああ、やだやだ。まったく野蛮で下劣で下等で有害で!!」
マタタビ:
「・・・さっきから黙って聞いていれば肉食がどうこう言っておるが、あまり自分達の尺度を押し付けるのは、それこそ横暴ではニャいのかニャ。」
エルフ女王:
「な、なんですって!」
マタタビ:
「我々ネコ族は、直接菜食で栄養を取ることが出来ニャい。だから、草食動物の肉を食べる事で生活に必要なエネルギーを得て暮らしているのニャ。何も殺すのが楽しくて獲物をとっているわけではニャいでござる。」
ゆきんこ:
「ほうほう。」
マタタビ:
「それでも肉を食うニャ、肉を食わずに生きられニャい種族は絶滅してしまえと言うのであれば、よっぽどそんニャ考え方の方が野蛮だニャ。」
エルフ女王:
「うぐっ・・・。」
マタタビ:
「それぞれの種族によって生活の形態が異ニャるのだから、食い違いが起こるのは仕方のニャいこと。相手の立場も考えず自分達の言い分にばかり固執し、他種族を批判侮辱することが果たして正しいのかニャ?」
エルフ女王:
「ううう・・・。」
エルフ達:
「ざわざわざわ・・・。」
マタタビ:
「共存の努力もせず、他者の陰口ばかり叩いているお前たちに、人間を勝手だと馬鹿にする資格はニャい!!」
エルフ女王:
「お、おそれいりましたっ・・・!!」
エルフA:
「あああ!じょ、女王様が土下座を!」
エルフB:
「わ、我々もひざまづかねば!!」
ゆきんこ:
「はわわわ・・・。大名行列でございますか?わ、わたくしも・・・。(土下座)」
マタタビ:
「お、阿雪殿はしニャくてよろしい(汗)。」
エルフ女王:
「今のお言葉でわたくし目から鱗が落ちた思いです!確かに我々はこれまで人間が歩み寄ろうとしてきても突っぱねてきた傲慢な部分があったかもしれません・・・。これからは、前向きに共存の道を探して話し合っていきたいと思いますわ!」
マタタビ:
「うむ、分かればよろしいニャ。」
ゆきんこ:
「うーむ、何やら話が見えませぬが・・・一件落着という事でよろしいのでしょうか。」
エルフ女王:
「今宵はこの里にお泊り下さいませ。ささやかながら宴の準備もさせましょう。」
マタタビ:
「ほほう、それはありがたいですニャ。阿雪殿、ここはお言葉に甘えますか。」
ゆきんこ:
「左様でございまするな。さすればよろしくお願い致しまする。」
ゆきんこ:
「お世話になりました。ご恩は忘れませぬ。」
エルフ女王:
「お名残おしゅうございます。できることならここに残っていただいて、これからも色々とお教えいただきたいのですが。」
マタタビ:
「いやいや、これ以上こちらにご迷惑をかけるわけにもいきませぬしニャ。」
エルフ女王:
「ところで、これからどちらへ向かわれるおつもりですか?」
ゆきんこ:
「もはやどこからどこへ向かっているのか見当もつきませぬ。そもそも、ここはどこですか?行けども行けども森ばかり・・・はっ煤i○□○)!もしや音に聞く富士の樹海とは、ここのことでございましたかっっっ!?」
エルフ女王:
「はあ???」
マタタビ:
「は、話がややこしくニャるから、阿雪殿は黙ってて下され(汗)!
人間界へ向かいたいのですが、どう行けばよろしいですかニャ。」
エルフ女王:
「な、なるほど。それでは森の北西から抜けるとよろしいでしょう。里の者に出口まで案内させますわ。」
マタタビ:
「かたじけニャい。阿雪殿、やりましたニャ!やっと、阿雪殿の世界に戻る事ができますぞ!」
ゆきんこ:
「はて。よく分かりませぬが、とにかく帰れるのでございますか?うれしゅうございまする。」
こうして、ついにゆきんこの長い旅は終わりを告げた
・・・ように思われたのだが・・・。
エルフB:
「ここから先は人間界でございます。えーと、たしか、ヨーロッパとか言う地域ですね。」
ゆきんこ:
「よおろっぱ?」
エルフB:
「はい。」
マタタビ:
「いかがニャされた?」
ゆきんこ:
「あのぅ・・・、ずっと疑問に感じていたのですが・・・、もしかして、ここは日本ではなかったりしてしまったりしてしまったり?」
エルフB:
「日本ですか?日本はちょうど世界の反対側になりますね。」
ゆきんこ:
「はんた・・・っ煤i○□○;)」
マタタビ:
「はニャ―――ッ!!?」
悪夢はまだ終わらない。
10/23 (木)
黒星山:
「ひいふう。ん?」
ボールが転がっている。
黒星山:
「変わったボールっスね。大きさからするとバスケットボールかなんかっスかね。」
・・・・・・・・・。
何気なくボールを弾ませようとしたその時。
鳴隼:
「ひょい。」←ボールを奪い取る
黒星山:
「あ、メイたん?」
ぶん!
鳴隼は奪い取ったボールを天高く、それはもう宇宙ロケットかと思うぐらい高く投げた。
黒星山:
「おおおお!凄いっス!」
でもって、ドラゴンボールのキャラみたいに指先からエネルギー波をボールめがけて放つ。
ずっごごごごごご―――・・・・・・んんん!!!
黒星山:
「ンなーっっっ!?煤i○3○;;;)」
鳴隼:
「死ぬのは勝手だけど、身元が分かる死に方をしてもらわないと困るねぇ。」注):黒星山は鳴隼が受取人名義の生命保険に加入している
黒星山:
「ば・・・、爆弾だったっスか・・・・・・!!?」
鳴隼:
「助け賃。」
黒星山:
「え。」
鳴隼:
「こんなもんで。」←電卓を見せる
黒星山:
「うう・・・、大人しく死んでたほうが良かったっス・・・(T3T)。」
うべべ:
「なんズラ?」
とるこ:
「どした?」
うべべ:
「なんかヘンな音がしなかったズラか?」
とるこ:
「別に。」
うべべ:
「うーん・・・、確かに音がしたような・・・。ん?」
庭に黒いボールのようなものが集まってきた。
とるこ:
「な、なんだ?」
うべべ:
「うべっ!?このボール、手足が生えて歩いてるズラ!!」
ボール?:
「ボールではないっっっ!!」
とるこ:
「ゲーッ!ボールが喋りやがった!?」
うべべ:
「こ、これはなんズラ!?ホラーズラ〜っ!?」
ボール?:
「我々は魔界軍総司令スピネル様の命を受け、裏切り者とるこいしを抹殺しにやって来た刺客!ヘマタイト隊だ!!」
とるこ:
「刺客だぁ!?」
ヘマタイト:
「その通り!ブルーレース様は裏切り者の貴様に対し抹殺指令を出された!もはや、どこにも逃げ場は無いぞ!」
うべべ:
「ま、抹殺指令!?そんな!」
とるこ:
「あ、あンのクソ親父〜〜〜っっっ!!実の子供が可愛くねーのか!!」
ヘマタイト:
「何を言うか、ブルーレース様は魔界1の天才児だった貴様を認めていたからこそ、単身人間界制圧をお命じなさったのだ!それが人間界でぬくぬく暮らしおって!恨むのならブルーレース様の期待を裏切った自分自身を恨むんだな!」
とるこ:
「だーからっ!あれはオレが悪いんじゃねーって!美咲が強すぎるんだ!!」
うべべ:
「まさか、この機に魔界軍が攻めてくるズラか!?」
ヘマタイト:
「いや、まだブルーレース様は人間界と事を構えるつもりは無い。だからこそ、我々はボールのフリをして人間の目をかいくぐり、ここまでやってきたのだ。・・・・・・よりによって、我々のリーダーがここに来る途中に何やら眉毛の異常に太い女に脱落させられたがな。」
とるこ:
「鳴隼か?」
うべべ:
「多分。」
ヘマタイト:
「さあ、おしゃべりはここまでだ!二人まとめて死ぬがいい!!」
とるこ:
「けけけけーっ!馬鹿にすんなよ!いくら魔力を99%失ったからって、てめーらみてーなチンチクリンに、この天才とるこいし様がやられるか、けけけけけーっ!!!」
うべべ:
「オラだって!先生に習った剣を見せてやるズラ!!」←ただし装備は竹刀
ヘマタイト:
「かかれーっ!!」
うべべ:
「行くズラーっ!!」
その瞬間、うべべの竹刀にどこからとも無く火の玉が飛んできた。
とるこ:
「うべべ、あぶねーっ!」
うべべ:
「うべぇっ!?」
ずおんっ!
竹刀がケシとんだ。
とるこ:
「あーっ!?てめえ、オニキス!」
うべべ:
「何をするズラっ!」
オニキス:
「黙れバカがっ!貴様らコイツらの生態を知らんのか!?オレが止めてやらねば今頃死んでいるところだぞっ!!」
とるこ:
「なにぃ!?」
オニキス:
「こいつらは言わば『意思を持った爆弾』だっ!迂闊に攻撃をすれば、その場で爆発するぞ!」
うべべ:
「うべぇーっ!?あ、危ないところだったズラ!!」
ヘマタイト:
「そういう事だ!我々はもとよりそれだけのために生み出された魔法生物。自爆する事は恐怖どころか、むしろ名誉!!だが、貴様らはどうかな?」
うべべ:
「そ、それじゃ打つ手がねーズラ!!」
とるこ:
「くっそーっ!陰険なスピネルらしい策だぜ!爆発させて魔族が人間界に干渉した証拠も一緒に吹き飛ばす気か!」
オニキス:
「逃げるぞ!ここでは勝負にならん!!」
とるこ:
「うがーっ!ムカつくーっ!!」
うべべ:
「うべーっ!!」
ヘマタイト軍団:
「待〜〜〜て〜〜〜〜!!」
うべべ:
「どこまで逃げる気ズラ!?」
オニキス:
「この先の荒地までだ!奴らの最大の武器はその爆発力だが、同時に弱点はその爆発のしやすさにある!」
とるこ:
「なるほど!遠距離から魔法攻撃で奴らの自爆を誘発するわけだな!」
うべべ:
「ここズラか!?」
オニキス:
「そうだ!この広さなら周囲に被害も及ぶまい。こっちもしっかり距離が取れる。」
とるこ:
「なるほどな。しかし、どーゆー風の吹き回しだ?」
オニキス:
「フン。貴様を倒すのはオレの役目だ。・・・元の強さに戻った貴様をな。その前に、こんなくだらん奴ら相手にくたばってもらっては困る、それだけよ。」
とるこ:
「けけけー。言うねぇ。」
わらわらわらわら(←ヘマタイト軍団が追いかけてきた音)
とるこ:
「けけけけーっ!何も知らずに来やがったな!」
ヘマタイト:
「鬼ごっこは終わりだ!観念するがいい!」
オニキス:
「フッ、馬鹿が。おびき寄せられた事も分からんのか。」
とるこ:
「けけけけーっ!ここでてめーらに一発ファイヤーボールをブチ込んだらどうなると思う!」
ヘマタイト:
「なにっ!!」
とるこ:
「てめーらの一匹がその衝撃で爆発!あとはボンバーマンのごとく、そいつの爆風でてめーら全部連鎖だ!けけけけーっ!!」
うべべ:
「やったズラーっ!」
ヘマタイト:
「フッ・・・フッハハハハ・・・それで勝ったつもりか!この程度の展開など想像の範疇だ!!」
オニキス:
「なんだと!?」
ヘマタイト:
「爆発タイプを拡散タイプから集中タイプに切り替えるまでよ。攻撃範囲は極限までせばまるが、貴様ら小悪魔を吹き飛ばすぐらいの威力は充分にあるぞ!」
うべべ:
「ど、どういうことズラか?」
とるこ:
「い、いや、よく分からん。」
オニキス:
「くっ・・・。こいつら、爆発の範囲をコントロールできるらしい・・・。攻撃目標だけを対象に凝縮した爆発をすると言っている・・・。」
うべべ:
「うべぇっ!?」
オニキス:
「こうなったら道は一つだ!奴らに距離を詰められる前に、魔法を連射して各個撃破するしかない!」
とるこ:
「ちぃーっ!めんどくせーな!」
オニキス:
「オレは左翼を狙う。うべべ、貴様は右翼の敵を迎撃しろ。とるこには中央を任せた!」
とるこ:
「いっ!?」
うべべ:
「あ、あの〜・・・・・・。」
オニキス:
「どうした!今さら怖気づいたんじゃないだろうな!」
とるこ:
「い、いや。オレは構わねーんだが・・・。」
うべべ:
「オ、オラ、魔法使えね〜ズラ・・・・・・。」
オニキス:
「なっ・・・!なんだとぉ〜〜〜っ!?」
うべべ:
「面目ないズラ。体力なら自信あるだども・・・。」
オニキス:
「ま、魔法が使えない小悪魔なんて聞いたことないぞ!」
とるこ:
「おいっ!んな事言ってる場合じゃねーぞ!きやがった!!」
ヘマタイト:
「死ねーっ!!」
オニキス:
「ちぃーっ!」
びっ!! ←オニキスの魔法攻撃
どっごーん!!
とるこ:
「おらーっ!」
びっ!びっ!びっ! ←とるこの魔法攻撃
ずがっ!ぐおん!ちゅどーん!!
うべべ:
「が、頑張れズラー!」
ヘマタイト:
「落ち着け!実質、奴らのうち戦えるのは2匹だけだ!」
オニキス:
「ふん!」
どかーん!!ずどーん!!
とるこ:
「死にやがれ、けけけけーっ!!」
どがががががっっっ!!
オニキス:
「さすがだな、とるこいし!魔力が激減したとはいえ、その連射性・・・。魔法エネルギーを練るスピードは健在だな。やはりオレのライバルだ。」
とるこ:
「けけけけーっ!連続魔法なら誰にも負けねーぜ!!」
ずががががーっ!!
うべべ::
「うべぇーっ!ダメズラ!て、敵の数が多すぎるズラーっ!!」
とるこ:
「うげーっ!まだあんなにいるのかよ!」
ヘマタイト:
「進め進めーっ!!」
オニキス:
「やはり広範囲魔法で一掃するしかないか!しかし広範囲魔法となると発動まで時間が掛かる・・・。とるこいし!お前の連続魔法でなんとか奴らを食い止めてくれ!」
とるこ:
「おっしゃ、任せとけ!」
うべべ:
「オラも石を投げて応戦するズラ!!」
とるこ:
「このーっ!!」
どかーん!どどどががーん!!
ヘマタイト:
「ひるむな、行けーっ!!」
とるこ:
「あ。」
ぼすん。
うべべ:
「ど、どうしたズラ!!?」
とるこ:
「ぎゃーっ!!も、もう魔力が尽きちまったーっ!!」
オニキス:
「な、何―――ッ!!」
ヘマタイト:
「今だ!かかれーっ!!」
とるこ:
「嘘だろーっ!?オレの魔力ってここまで小さくなってたのかよ!!」
オニキス:
「くっそーっ!もう少しのところで!!」
うべべ:
「危ないズラ!!」
がしっ!!
とるこ達に飛び掛ろうとしたヘマタイト一体をうべべが食い止めた。
うべべ:
「うべぇーっ!?」
ヘマタイト:
「ちぃっ!邪魔をするか!ならばお前から始末するまでよ!!」
びとびとびとびとびとっ!!
次々とうべべにまとわりつくヘマタイトの群れ。
とるこ:
「ば、バカヤロー!悪魔のくせに味方をかばってどうすんだ!」
うべべ:
「うべーっ!いてもたってもいられなかったズラ!!」
オニキス:
「でかしたぞ!おかげで魔力が溜まったわ!ふははははは!!」
とるこ:
「溜まった・・・って!まさか、うべべごと吹き飛ばす気か!?」
オニキス:
「当然だ。逃げ遅れる奴がマヌケなのだ。」
とるこ:
「やめろ!誰のために犠牲になってると思ってんだ!」
オニキス:
「何をする!腑抜けたかとるこいし!この千載一遇のチャンスを潰す気か!」
ヘマタイト:
「わっはっはっはっ!仲間割れか!それ!3人まとめて爆破してしまえーっ!!」
とるこ:
「ぎゃーっ!!囲まれた!」
オニキス:
「見ろ!貴様らが甘いせいで・・・!」
ヘマタイト:
「スピネル様!任務達成です!さぁ〜!では、隊員の皆さん、華々しく散りましょぉ〜!3・・・、2・・・」
とるこ& うべべ& オニキス:
「も、もう駄目だぁーっ!!」
ヘマタイト:
「い・・・!?」
頭長スライム:
「べろんちょ。」
頭長スライムがヘマタイトを次々と飲み干し始めた。
ヘマタイト達:
「!!?」
頭長スライム:
「物音がするからやって来てみりゃ、うまそうな飴玉があるじゃねーか、ぐへへへへへへ。べろんちょべろんちょぺろりんこ。」
ヘマタイト:
「う、うわーっ!?そ、そんな馬鹿なあああ!!」
一瞬のうちにヘマタイト軍団は頭長スライムに一飲みにされてしまった。
頭長スライム:
「うまうま。」
うべべ:
「た・・・、助かった・・・ズラか?」
とるこ:
「まさか、コイツに助けられるとはな・・・。」
オニキス:
「なんだったんだ、オレたちの戦いは・・・(TT;)。」
頭長スライム:
「むむっ!この飴玉食ってたら詩が浮かんだぞ!すばらしい・・・、かつて無いほど素晴らしい詩だ!!ぐへへへへ!勝てる!これならあのクソエープに勝てるぞ!!ぐへへへへ、待ってろエープ!忘れねーうちに、この史上最強の詩を聞かせてくれるわーっ!!」
とるこ:
「何だアイツ・・・。突然現れたと思ったら、またダッシュでどっか行っちまったぞ。」
オニキス:
「あ、なんかにつまづいてコケた。」
ピカッ!!
ずどどどどどど・・・!!
頭長スライムの体内のヘマタイトたちがコケた衝撃で一斉に爆破した。
うべべ:
「あ、頭長スライムぅーっ!!!」
とるこ:
「さようなら。頭長スライム。キミの雄姿は忘れたい・・・もとい、忘れない。」
オニキス:
「どうせ奴のことだから、またすぐに甦えるだろ。」
魔物:
「スピネル様!ヘマタイト作戦、失敗に終わりました!」
スピネル:
「ほう・・・。最初の刺客はしりぞけたか・・・。やるではないか。・・・して、どのようにヘマタイトを撃退したのだ?」
魔物:
「は、はあ・・・。横から突然訳の分からんスライムが出てきて・・・。ヘマタイトを丸呑みして・・・そのあと爆死しました・・・。」
スピネル:
「・・・・・・・・なんだって・・・?」
魔物:
「へ、ヘンなスライムに邪魔されました・・・。」
スピネル:
「ぶちっ・・・ぴくぴくぴくぴくっ・・・・・・!!」
魔物:
「ひ・・・ひきゃああああ!!す、スピネル様がキレたあああ!!」
スピネル:
「があああああっっっ!!ふざけおって、下等生物がああああっっっ!!よくも、私の美しい作戦をぉおお、台無しにしやがってぇぇぇえええええっっっっっ!!!!」
魔物:
「ひいいいっ!!に、逃げろぉおおおっっっ!!!」
魔都の3分の1がこの日のスピネルの大狂乱で吹き飛んだそうな。
10/27 (月)
去年の9月8日の日記で、フビライの妻チャブイがワシの中でメガヒットしたのに続き、今度もまた一人メガヒット!やはり、歴史は勉強すれば勉強するほど魅力的な人物がざくざく出てくるからやめられん。
というわけで、あんまり有名じゃない魅力的な人物をコマーシャルして悦に浸るという自己満足企画「今回のメガヒット」シリーズ第2弾は、かの魏王・曹操が最も愛した自慢の神童、曹沖にスポットを当ててみたいと思いまする。
まずは、プロフィールだ。曹沖、字は倉舒。196年に天から舞い降りて、208年に天に帰っていきまする。なんか不思議な表現の仕方に思えるかもしれないが、わたくし、曹沖は「人間」ではなく「天使」だと思っていますので、あえてこう書きます。「死去」なんて表現はしたくないんじゃよ。
それはもう、とんでもない天才児で、ある意味ニュータイプじゃないかという説すらあるとかないとか(ぉ)。なんでも5〜6歳で、既に大人顔負けの頭脳を持っていたといわれております。さらに美少女と見間違える程の美少年だったらしいが、まあその話は置いとこう(笑)。
彼にまつわる有名なエピソードとして、孫権が曹操に象をプレゼントしたことがありました。
それはそれはでっかい象で、曹操はコイツの重さを知りたいと思いました。
「どうにかしてこの象の重さを知る方法はないか?」と部下に聞きました。
曹操自慢の天才軍師軍団も、「こんなクソ重たい象に使える秤なんてねーべ!?」「無茶言ってもらっちゃ困るぜ孟徳さんよォ。」とみんな頭を抱える始末。
広間の隅っこで夏侯淵が「バラバラに細かく切り刻んで足し算したらどうかなぁ。」なんて物騒な事を考えてる横から、ちょこちょこ小さな可愛い5歳児が曹操に歩み寄ってこう言いました。
「象さんを船に乗せて、どこまで沈んだか印を付けておいて、そのあと、重さの分かってる石や米俵を積んで印を付けたところと同じ深さまで船を沈めれば、あとは計算して分かりますよ。」
この言葉を聞いて、群臣達は大いに感心し、曹操パパは嬉し涙がちょちょぎれました。そして、何より夏侯淵にぶつ切りにされずにすんだ象さんは最も喜んだ事でしょう。(ネタに使ってすまん、夏侯淵!)
この逸話から、いかに賢い子供だったか伝わってくるわけですが、曹沖の魅力はその仁愛に満ちた天使のような優しさ、思いやりにこそ真骨頂があるのです。
次は、それについてのエピソードを紹介しまふ。
倉庫番の係がとても落ち込んでいたので曹沖は何事かたずねました。
話を聞いてみると「曹操様の大事にしてる馬の鞍をネズミにかじられてしまいました。これから自首しに行くところですが、おそらく厳格な曹操様のことですから死罪は免れないでしょう。ぼぼぼ坊ちゃま、どうしましょう!うちには年老いた母と、生まれたばかりの子供がああ!!」と言う事でした。
そこで曹沖は一計を案じました。「話はよく分かりました。今日のところは、このまま家に帰って、3日後、父上に報告に来てください。3日後、私も父上に面会しますから、私がうまく計らいましょう。」
そして、曹沖は、自分の衣服に刀でネズミがかじったような穴をあけて、曹操に面会しに行きます。
曹操は、曹沖がたずねてきてご機嫌です。
「はぁ〜い、沖たん、パパに会いにきてくれたんだね!パパとっても嬉しいな。」と声を掛けると、曹沖に元気がありません。
「どうしたんだい?何か悩みがあるのならパパにいってごらん?」と聞くと、「服をネズミにかじられてしまいました。着物をネズミにかじられると、持ち主に良からぬことが起こるといわれています。」と答えました。
これを聞いた曹操は、「なにぃいい!!よくもオレの可愛い沖たんの服を!許さん、許さんぞぉおっ!!誰かある!今からこの世のネズミどもを絶滅させるべく大討伐を行うぞ!!ドラえもんだ!ドラえもんを呼んで「地球はかいばくだん」を出してもらうのだっっっ!!」と大激怒・・・・・・もとい、・・・・・・今のは忘れてください。
これを聞いた曹操は、「そんなこと気にしなくてもいいんだよ。服なんかパパが何万着でも何億着でも代わりをあげるから。だから今夜はパパと一緒に寝ようねハァハァ(;´Д`)
、・・・、すいません、これも忘れてください。しつこいですか、すみません。次は真面目に続けます。(これで完全に曹操ファンを敵にまわしたな、おりゃ:汗)
曹沖が「服をネズミにかじられてしまいました。着物をネズミにかじられると、持ち主に良からぬことが起こるといわれています。」としょぼくれているので、「そんなものは迷信だよ。気にすることは無い。ネズミがかじるなんてよくあることじゃないか。」となぐさめました。
その後、先ほどの倉庫番が鞍をネズミにかじられたと報告にきます。今曹沖に言った手前、「子供の服は側に置いててもかじられる。まして鞍は倉庫にぶら下げてあるんだから、仕方の無い事だ。」とお咎めなしになりました。
この件をはじめとして、些細な事で罪人になっていた人たちの罪状をことごとく調べ上げ、曹操に罪の軽減、あるいは無罪を訴え、数十にものぼる人たちを救ったとされています。
おかげで、人々は「曹操様に白状する前に、まずは曹沖坊ちゃまに相談を。」が合言葉になってしまったとかで、さすがの曹操も苦笑するほかなかったそうな。
なんという慈愛の心!天才はえてして自分勝手で自己中心的で、冷たいパターンが多いものですが、彼の場合そんなイヤミがない。
曹沖は「よっしゃ!親父にいいトコ見せて俺の株を上げよう。そうすりゃきっと後継ぎの座も・・・ぐひひ。」なんて考えて知恵を見せびらかすのではなく、ただ純粋に「ああ、このままだとこの人は殺されちゃうんだ。かわいそうだなぁ。ボクが何とかしてあげたい。」という気持ちから、その才覚を他人のために使っているのです。いい子やのぅ〜。
そんな曹沖を、いたく曹操が可愛がったのは当然でもありますし、自分の後継者には兄達をさしおいてこの神童を、と曹操は真剣に考えていたようです。というか、はっきり公言しています(笑)。
よく子供の頃は神童でも大人になれば大した事はないと言われがちですが、曹沖の魅力は知恵だけでなく、ベースとなる性格にあると思うので、きっと大人になっても立派な聖人君主になれたに違いないとワシは思います。
・・・・・・まあ、逆に優しすぎるのが心配な気はしないでもないが・・・。
しかし美人薄命、いい人ほど長生きできないといいましょうか、あるいは神様が天使曹沖を必要としたのか、わずか13の若さで天国に帰っていってしまいます。
曹操が曹沖を失った事を悲しんでいるので、曹丕が慰めると、あろうことかパパはこんな事を思わず言ってしまいます。
「ワシにとっては死ぬほど悲しいが、お前にとっては幸せだな。最大のライバルがいなくなったんだからな。」だだだ、ダメっス!それは言っちゃダメっス!!確かに曹丕派が曹沖の病気を治せる薬をこっそり処分したなんて説もあるけど、それはパパとして言っちゃダメっス!!息子は信じてあげましょうよ。
まあ、それだけ曹操が曹沖を愛していた、ということで。
他に、曹操がいかに曹沖を愛していたか、そして能力を評価していたかが良く分かるエピソードを紹介してしめましょう。
まずは愛情編。
13歳で独り身のまま天に昇った曹沖を不憫に思った曹操が、親戚かな?とにかく知り合いのやはり同じく若くして世を去った娘の棺を、曹沖の棺と並べて結婚式を行った後、一緒に弔ったとのことです。まあ、ようするに冥婚させて、天国で寂しくないようにしてあげたかったわけですな。
次に能力編
周不疑という大変利発な少年がおりまして、この子を曹沖の友達に・・・と曹操は考えておりました。
ところが曹沖がお空に帰っていってしまったため、普通なら、曹丕に仕えさせるはずだったのですが、曹操はこの周不疑を殺してしまいました。
曹操が曹丕に言うには「沖たんなら、きっと彼を良いパートナーとして使いこなせただろう。お前じゃ無理や、あんな天才危険すぎる。だから殺してやったのだ。」とのこと。周不疑さんにとっては、とんでもなく迷惑な話ですな。
同じ天才なのに、何でうちの沖たんだけあんな目に!!と思って殺したんじゃないかとも言われてますが、やっぱり周不疑にとっては迷惑です( ̄▽ ̄;)。
また、この曹丕も、のちに皇帝の座についてから、玉座をポンポンたたきつつ、「もし倉舒(曹沖)が健在だったら、今頃ワシ、この椅子には座れてないだろーなー。」と言ったそうで、兄もまた弟の天才振りを素直に認めていた事がわかります。
もちろん美化された部分も多いでしょうが、それだけの元があったことは間違いありません。
この後曹操は赤壁の戦いで大敗を喫するんですが、曹沖との最後の約束が「民がみんな幸せに暮らせる平和な世の中を作る事」だそうで。曹操はせめてその約束を守りたいと、頑張りすぎて作戦ミスしてしまったのかもしれませんな。
わずか13年という短い生涯で、しかもその後半は闘病生活という過酷な人生を送った曹沖。でも、偉大な父親からこれほどまでの大きな愛情を一身に受け、その人柄からみんなに愛された彼の人生はとても幸せなものだったに違いないと信じたい。
と、この劇場には似つかわしくないシリアスなまとめ方で終わる(ぉ。
なお、これらの話に贔屓目を加えて、三国志8に新武将として曹操の息子に曹沖を登録しました。能力データは独断と偏見で武力26、知力85、政治93、魅力98、軍師型です。実戦経験がないので兵法はほとんど持たせてませんが。設定としては病気を克服した!という設定で。知力はもう少し高くしてあげても良かったかなぁ。
10/29 (水)
ふと思ったが、三国志9で曹沖が「象兵」なんて兵法持ってるのは何でやねん!と思ったが、まさか、象の重さを量る方法を示唆した故事からか!?
シャレがきいてますな(笑)。いや、よいぞよいぞ。
10/30 (木)
ベータ:
「なーははは、パチンコパチンコ。今日こそ大儲けするぞ、うっほほーい。」
ホワイトマン:
「待てーい!!」
ベータ:
「むっ!」
ホワイトマン:
「正義の味方、ホワイトマン!参・上!!」
ベータ:
「出やがったな、いいカッコしいめ!今日こそ決着つけるか!!」
ホワイトマン:
「キミは今からギャンブルをやろうとしているな!?」
ベータ:
「あー、そうとも!今日こそ億万長者になってみせるさ!」
パチンコで億万長者は無理だろ。
ホワイトマン:
「まったく嘆かわしい・・・。」
ベータ:
「あのな。オレの小遣いをどう使おうとオレの勝手だろ!?」
ホワイトマン:
「そうじゃない。別にギャンブルをいかんと言ってるわけじゃない。」
ベータ:
「じゃあ、なんだってーの。」
ホワイトマン:
「キミは何か仕事をしているのかい?」
ベータ:
「もちろん。街中のパトロールとか。今日も、重い荷物を持って苦労してたバーさんを助けたり、河で溺れてた子犬を助けたり、いろいろ頑張ったぞ。パトロールも終わったし息抜きしようとしたところをお前に邪魔されてんだ。」
ホワイトマン:
「それは立派な事だが、私が言っているのは、収入を得る仕事をしているのか?と言う事だよ。」
ベータ:
「正義の味方は見返りなんか求めたりしないのだ!」
ホワイトマン:
「なるほど、それは素晴らしい哲学だ。素直に賞賛しよう。だが一つ大事な事を君は忘れている。」
ベータ:
「大事な事?」
ホワイトマン:
「キミの生活費はどうやって産出されているのか、ということだ。」
ベータ:
「えーっと、小遣いはエープから毎月貰うだろ。それ以外に、何か欲しいものあるときはエープに貰ったりするだろ・・・。あれ?エロゲーは友達に借りるから元手はいらんけど、エロビデオのレンタル代は・・・エープに貰うだろ・・・。あれあれ?」
ホワイトマン:
「そうだ。どうやら気付いたようだな。」
ベータ:
「うち、まったく収入ないのに、なんで生活できてるんだ!?金目のものはみんな鳴隼に騙し取られたし!!おおおお!?せ、世界の七不思議だ!!どっから生活費が!?」
ホワイトマン:
「知りたいかね。知りたければ私についてくるといい。」
ベータ:
「うんうん。」
患者A:
「先生、お願いします!うちの息子がSARSに!!」
患者B:
「ちくしょう・・・、悶窒血組の組長のタマ取りそこねちまった・・・。くっ・・・目がかすむぜぃ・・・。先生、オレぁ死ぬのかい?」
患者C:
「ボクの恋の病も治してください。」
患者D:
「うぃ〜・・・ひッく・・・。ねーちゃん!早くワシの肝硬変治してくれや!!」
患者E:
「せ〜んせv、オレの性病もよろしくね。」
患者F:
「ここなら主人の心臓病を治してもらえると聞いてきたんです!よろしくお願いします!!」
患者G:
「うちのおじいちゃんのアルツハイマーも治してもらえますか!?」
患者H:
「先生、うちの犬が産後の肥立ちが悪くて・・・。」
患者I:
「先生!オレ癌なんだろ!?はっきり言ってくれよ!!」
エープ:
「分かった!分かったから順番に並んで!大丈夫、3番目の人以外はみんな治せるから!」
患者C:
「えっ!そ、そんなーっ!!(ガーン!)」
ベータ:
「おおぅ・・・、こ、これは・・・?」
ホワイトマン:
「分かるかね。君の妹さんは、キミが寝てるときや遊びに出かけてるときに、白魔法の力で病気や怪我に困ってる人を治療し、ささやかなお礼のお金で収入を得ているのだよ。」
ベータ:
「そ、そうだったのか。」
ホワイトマン:
「彼女が家事をしつつ、陰でこうして生活費も稼いでいるからこそ、キミは何一つ不自由ない生活を送れているんだ。それなのにキミはどうだ。ロクにバイトすらしていないだろう?パチンコなんかしている場合じゃないと思わないか?」
ベータ:
「むぅぅう。ぜ、全然知らんかった・・・。」
ホワイトマン:
「おそらくキミに気を遣わせまいと、伏せていたのだろう・・・。だが、私は黙って見ている事が出来なかった・・・。」
ベータ:
「うおおおお!すまなかったエープ!お前一人に苦労を掛けて!よしっ!兄ちゃんも手伝うぞ!!オレもやればできるって事を見せてやる―――っっっ!!」
ホワイトマン:
「ふう、これで一安心だな。あとは兄妹うまくやっていけるだろう。」
エープ:
「はい、次の方どうぞ。」
患者Z:
「どうも今朝から腹の調子が悪くて。」
エープ:
「なるほど。腹・・・ね。」
状態異常回復魔法。
患者Z:
「おおっ!?あ、あんなに痛かった腹が!?ありがとう先生!すっかり楽になりましたよ!」
エープ:
「他に具合の悪いところはないですか?」
患者Z:
「はい!もう大丈夫です!じゃあ、先生、お代はコレで!」
患者Zは何やら名刺サイズぐらいの紙切れを出した。
エープ:
「え・・・?何これ・・・・・・?(汗)」
患者Z:
「ん?そのタダ券出せば無料になるんでしょ?」
エープ:
「ええ!?」
ベータ:
「やっほー、愛しの妹よ頑張っておるかねぃ?」
エープ:
「ゲッ!兄貴、な、なんでここに!?」
ベータ:
「いやー、ホワイトマンから話を聞いたんだよ。お前ばかりに苦労をかけちゃいかんと思ってさー。オレも何か力になれることはねーかなーって考えて。そうだ!サービス券配れば、もっとお客さん増えるな!ってひらめいてさ。早速チケットをパソコンに強い友達(エロゲー仲間)に作ってもらって、ジャンジャンコピーして配りまくってきたんだよ。なーはーはーはー!!」
エープ:
「(くらっ・・・。)」
美咲:
「おーい、頼まれてたチケット、東地区の家全部に配ってきたぞー。」
とるこ:
「けけけけーっ!オレもちょうど南地区配り終わったところだぜ!」
ユース:
「ベータさん、ボクも学校の友達と協力して西地区にばら撒いてきましたよ!」
クセルクセス:
「我も北地区に配ってきた。人助けの医療券とは、なかなかイキな計らいをするではないか。」
ベータ:
「というわけだから、手伝ってくれたみんなにバイト代払ってやってくれな。さーさー!お客さん!サービス期間ですよーっ!チケット持ってる人無料になりますよーっ!!」
患者たち:
「おおーっっっ!!!」
患者のじーさん:
「ありがたや、ありがたや、ありがたや・・・。」
美咲:
「お、おいっ、エープ、どーしたんだよ!?」
エープ:
「(死にかけ)」
とるこ:
「外、早速すげー行列だぞ。これだけ全員に回復魔法かけるなんて、すげーMPだな。」
ホワイトマン:
「気になって見に来たが・・・、こ・・・これは一体・・・・・・。うわっ!?」
エープ:
「何で兄貴に話しちゃったんだよぉ〜っ!!余計なことされるから必死で秘密にしてきたのにィイ〜〜〜っ!!(泣)」
ホワイトマン:
「い・・・いやっ・・・!私は良かれと思って・・・!め、面目ないっ!!」
こうして医療券が消滅するまでエープはタダ働きを続ける羽目になったのだった。
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