もんちっち劇場






6/23 (火)



 オニキス:

 「ふう…、よーやく…、今回の鳴隼に振り込む利息分の金額だけは確保した……。」


 
オニキスは鳴隼に多大の借金があり、しかも利息が違法(トイチだったりトサンだったりトナナだったり)なので、元金を返す前に居たらず、10日ごとに、元金の利息分のお金だけ納めて、返済を延期して貰う……という形で延々と金をむしり取られていく借金地獄に陥っているのである。


 オニキス:

 「だが、この金も結局はただの一時凌ぎにしかならん…。何か良い手はないか、一気に元金ごと返して借金地獄とオサラバできる方法は……。」


 
ぶんぶんぶんっ!


 オニキス:

 「何を弱気な事を言っている!オレは魔界のエリートだぞ!そもそも律儀に金を返すことがどうかしているのだ!借金など踏み倒して、いっその事鳴隼を始末してその気の力を我が魔力として全て吸収してくれるわ!!」


 
ひゅう〜。


 オニキス:

 「……なんて事が言える相手だったら楽なのになぁ…。そんな力があったら、魔界の1000個だって征服できるっつーの……。はあ、夢みたいな事言ってる場合じゃない、何かいい方法を、自由になる方法を見つけ出さねば…。」


キキィーッ!!
←ブレーキ音


 オニキス:

 「ん?」


 クレイステネス:

 「………!!」



 オニキス:

 「暴走車か!?あの女、硬直してやがる!ちいっ!!」


 
間一髪、オニキスのタックルでクレイステネスの救出に成功した。


 クレイステネス:

 「ふぎゃ!」


 ドライバー:

 「バカヤロー、気をつけろ!!」



 オニキス:

 「くっ、オレともあろう者がヤキが回ったな…、魔族のくせに人間を助けてしまうとは…。」


 クレイステネス:

 「おおきに、坊ちゃん!ウチ、今ホンマ死ぬかと思ったわぁ!おおきにおおきに!」


 
ちゅっ、ちゅっ。


 オニキス:

 「坊ちゃ…!?だああ!やめろ!何をするか貴様!!」


 クレイステネス:

 「照れんでもええやないのー、お礼のキッスやんか〜。坊ちゃんウブやねぇ。」



 オニキス:

 「ウブとかそういう問題ではない!それにオレは坊ちゃんではない、オニキスという名がちゃんとある!」


 クレイステネス:

 「オニキスちゃんかー。」



 オニキス:

 「ちゃんを付けるな!!」


 クレイステネス:

 「まあまあ、何か命を助けて貰ったお礼をせんといかんね。でもキッスじゃ喜んでくれへんかったしー?あ、そっか、マウストゥマウスやないから怒っとんねや!?」



 オニキス:

 「違うわ!!大体、貴様そのロザリオとか見たところ、キリスト教とやらの信者だろう!?言っておくがオレは魔族だぞ!」


 クレイステネス:

 「これ?これただのファッションやし。それに、命の恩人やから神様もきっと許してくれはるわ。」



 オニキス:

 「くっ…、か、軽いヤツめっ!」


 クレイステネス:

 「とにかく何かお礼させてーなー。このままじゃウチの気が済まへんしー。」



 オニキス:

 「余計なお世話だっ!くそっ、こんなヤツ助けるんじゃなかっ…」


 
ぐううう〜〜〜〜
(オニキスの腹の音)


 クレイステネス:

 「おなか空いとるん?」



 オニキス:

 「………もう3日食ってない。」


 クレイステネス:

 「ほなウチの研究所おいで、ウチもこれから帰ってご飯やねん。」



 オニキス:

 「むむむ…、せ、世話になる…!」





 オニキス:

 「ふうー、久しぶりに満腹だ。礼を言うぞ。」


 クレイステネス:

 「何言うてんの水臭い。ほっぺとおでこにチューした仲やんかー。」



 オニキス:

 「ブッ!あ、アレは貴様が勝手にしたのではないか!!」


 ヘシオドス:
←クレイステネスの従者のじじい

 「クレイステネス様、またキス魔の気が…。」



 クレイステネス:

 「あははははっ、ええやないの減るもんやなし。」



 オニキス:

 「しかし、研究所か…、この建物は確かにこの街で何かと気にはなっていたが…。」


 クレイステネス:

 「興味あるんやったら色々見てってええよ。」



 オニキス:

 「ふむ……。(何か鳴隼をぶっ殺せるアイテムは無いものか)」


 
銃器類やら兵器類を見て回るオニキスだが、しばらく物色してため息をついた。


 オニキス:

 「こんなモノでどうにかなる相手なら苦労せんわ…、ん?」


 クレイステネス:

 「どしたん?」



 オニキス:

 「いや…、これはキャンディーじゃないのか?なぜ研究品の棚に菓子が混ざっているのかと思ってな。」


 クレイステネス:

 「ああ、それは
『デレデレキャンディー』いうて、それもウチの発明品やもん。」


 オニキス:

 「なに?ただの菓子じゃないのか?」


 クレイステネス:

 「このデレデレキャンディーは、コレを舐めた者の性格を文字通りデレデレで甘々な性格にしてしまう効果があるんよ。どうしても仲良うなりたい子とかにあげると効果的やでー。」



 オニキス:

 「な、なんだと!?」


 クレイステネス:

 「ちなみに、こっちのツンツンキャンディーは逆の効果や。仲違いさせるためのアイテムやね。」



 オニキス:

 「ふ、ふむ…。ひとつ聞くが、コレは…とても良心の欠片も無さそうな残虐非道極悪無道冷血冷酷冷徹残忍鬼畜な腐れ外道にも効くのか?」


 クレイステネス:

 「効く。中の成分が体内に吸収されて脳を優しい気分にさせるんやー。知能がある限り効くで。」



 オニキス:

 「………頼みがある!これを1つ譲ってもらえんか…?どうしても飲ませたい相手が居るんだ!!」


 クレイステネス:

 「おやー?なんや、オニキスちゃんも隅に置けへんなー。その年でもう好きな娘おるん?そっかー、これで愛しのあの娘のハートをゲットしよう言うんやね?」



 オニキス:

 「だっ、断じて違うっ!!誰があんなヤツを!!

 ……正直に話そう、今オレはある暗黒神に人生を蹂躙されている。

 オレが3日も食えずにいたのも、ヤツに支払うための金策に追われていたからなのだ。」


 クレイステネス:

 「あらら、その若さでドラマチックな人生歩んどるんやねぇ。」



 オニキス:

 「コレを使ってヤツの性根を直すことが出来れば、オレの人生も切り開くことが出来るかもしれん…!頼む、この通りだ!このデレデレキャンディを1つオレに譲ってくれ!!」


 クレイステネス:

 「ええよ。」



 オニキス:

 「ほ、本当かっ!?」


 クレイステネス:

 「あんまり数はないからホンマは惜しいんやけど、オニキスちゃんはウチの命の恩人やしなー。それにホンマに困ってるみたいやから、見捨てるのも気の毒やん。」



 オニキス:

 「すまん、本当に助かる!では、コレは頂いていくぞ。」


 クレイステネス:

 「上手くいくとええね。」



 オニキス:

 「………。…ちょっと嫌な予感がする、よく見てくれ。さっき言っていた
『ツンツンキャンディ』とやらと間違ってないか?本当にコレは『デレデレキャンディ』で合ってるか?」


 クレイステネス:

 「(し、慎重な子やな…、よっぽど今まで酷い目に遭って来たんやろなぁ…。)
ほろり


 オニキス:

 「これ以上ヤツがツンツンになったら、オレは本当に死ぬかもしれん。いや、間違いなく死ぬ。」


 クレイステネス:

 「大丈夫。ちゃんと
『デレデレ』の方や。賞味期限も大丈夫。品質的に問題あらへんよ。」


 オニキス:

 「そうか!よし、これでオレは自分の人生を取り戻すっ!!」





 オニキス:

 「守銭奴、いるか!」


 鳴隼:

 「ニイハオ。よく来たね馬車馬。」



 オニキス:

 「…っく…!!ほら、今回の利息だ!元金は無理だから今回も利息だけだ。」


 鳴隼:

 「いいとも。あたしとしても、この調子で延々と利息を支払ってくれる方がありがたいし。

 元金返されたら、そこで終わっちゃうもんねぇ…。」



 オニキス:

 「(鳴隼は鋭いからな…、オレが突然コイツにキャンディなんぞ渡したら怪しまれるかもしれん。普通の渡し方じゃダメだ。)」


 鳴隼:

 「
(金をチェック中)


 オニキス:

 「おい、鳴隼。」


 鳴隼:

 「なに?」



 オニキス:

 「貴様、イチゴ味はいけるか?」


 鳴隼:

 「は?」



 オニキス:

 「バイト先の店長に飴を貰ったんだが、どうもオレはいちご味はダメでな…。捨てるのも勿体無いし貴様にくれてやる。」


 鳴隼:

 「ふぅん、毒でも入ってるの?」



 オニキス:

 「
(ギクッ!)ど、毒で死ぬ貴様か!そんな貴様を怒らせるだけのマネをするわけなかろう!」


 鳴隼:

 「そうだろうね。くれるモンなら貰うよ。」



 オニキス:

 「(ホッ。あとは怪しまれんように、オレも自前で用意したコーラ味の飴を舐めておこう。)」


 鳴隼:

 「
パク


 オニキス:

 「(よっしゃあああ!食ったああああ!!)」


 鳴隼:

 「13万…と、たしかに確認したよ。」



 オニキス:

 「そ、そうか。」


 鳴隼:

 「はい。」
←受け取ったお金入りの封筒をオニキスに突き出す


 オニキス:

 「ん?なんだ?」


 鳴隼:

 「ずっと金策に振り回されっぱなしで身体が参ってるんだろ?今回のは貰ったことにしといてあげるから、コレで休養でも取っておいで。」



 オニキス:

 「なっ…!?い、いいのか?」


 鳴隼:

 「あたしの気が変わらないうちに持って帰るんだね。」



 オニキス:

 「う、うむ。では言葉に甘えさせてもらおう…!」





 オニキス:

 「やった!やった!やったぞ!効果覿面だ!いきなりチャラ、とまで上手くはいかなかったが、あの守銭奴がオレに金を渡しただけでも奇跡だ!この調子で締め付けが緩くなれば、いつか元金も満額返済して自由の身になる事も可能だ!!」


 藤次郎:

 「おう?なんでい、オニキス、珍しく上機嫌だな。」



 ベータ:

 「まったくだ、いつも苦虫噛み潰してるお前さんらしくもない。」



 オニキス:

 「フッフッフッフッ、オレを悩ませる最大の障壁がなくなるかもしれんのでな。」


 ベータ:

 「お前の最大の障壁というと、とるこ…?いや、鳴隼か。」



 藤次郎:

 「なんだぁ?宝くじでも当たったのか?」



 オニキス:

 「感謝しろよ貴様ら。オレがクレイステネスに貰ったデレデレキャンディという飴のおかげで、あの暗黒神が丸くなったのだ。世界に平和が訪れたのだ、オレのおかげで!」


 藤次郎:

 「はあ?暑さでとうとう頭イカれやがったな?」



 ベータ:

 「でも、クレイステネスの発明品っていうなら説得力あるな。オレもこないだ浦っちと一緒に味覚があべこべになるチョコを食ったから、アイツの発明品の威力は知ってるつもりだ。
(2008年2月14日の雑記参照。ゼロ式さんのキャラ浦田勇人と共にこのチョコ食って酷い目に遭った)


 オニキス:

 「そうさ。その証拠がこの封筒だ。コレが何だか分かるか?」


 藤次郎:

 「なんだそりゃ?」



 オニキス:

 「コレは鳴隼に納めた今回の借金の利息金だ。ところが、その飴を食わせたところ、金策で参ってるだろうから、コレでリフレッシュして来い、とそのまま返されたのだ。」


 ベータ &  藤次郎

 
「な、な、な・・・なんだってー!!!」


 ベータ:

 「そ、そんなバカな!あの金に汚い鳴隼が一度受け取った金を手放すなんて!?」



 藤次郎:

 「あ、ありえねえ!ありえねえぜ!!こりゃ、オニキスの話は本当だぞ…!?」



 オニキス:

 「分かったろ。オレはこれから、クレイステネスに礼と報告をしたら温泉にでも行くことにする。じゃあな。」


 ベータ:

 「信じらんねえなー。でも、オニキスが嘘を付くとも思えんしな…。」



 藤次郎:

 「こうしちゃいられねーぜ!!今こそ積年の恨みを晴らすチャンスだ!!今の甘くなった鳴隼から大量に金を借りまくってそのままトンズラしてやる!!並みの借金取りに落ちた鳴隼なら、オレ様の踏み倒しテクを持ってすれば赤子の腕を捻るようなモンよ!!」



 ベータ:

 「よ、よーし!オレも乗った!!鳴隼、ギャンブル代500万ぐらい貸してくれー!!」






 クレイステネス:

 「そっかー、上手く行ったん?良かったなぁー。」



 オニキス:

 「貴様には何と礼を言っていいか分からん。一気に借金チャラとまでは行かなかったが…、さすがに相手はあの鳴隼だからな。まあ、これから地道に粘り強く交渉していくさ。」


 クレイステネス:

 「へ?」



 オニキス:

 「ん?ど、どうした?」


 クレイステネス:

 「オニキスちゃんが言うてたターゲットって、メイちゃんなん?」



 オニキス:

 「そ、そうだが?」


 クレイステネス:

 「そら、おかしいなぁ…。」



 オニキス:

 「おかしい?何がだ?」


 クレイステネス:

 「メイちゃんはご存知のよーに、無限の気を持つ特異体質や。

 常にその「気」が身体中を循環してて、病原菌、ウイルス、有害物質etcの異物全てを、その「気」が浄化する能力を持ってるねんで。」



 オニキス:

 「そ、それがどうかしたのか?」


 クレイステネス:

 「デレデレキャンディによる誘引物質も、いわば異物やろ?せやから、メイちゃんの気で即滅却されてるはずやねん。」



 オニキス:

 「えっ……。ということは、つまり…?」


 クレイステネス:

 「メイちゃんにデレデレキャンディは効かんっちゅーことや。」



 オニキス:

 「……………!!!
(滝汗)





 鳴隼:

 「商売の基本は『損して得取れ』さ。

 特にオニキスはいい金ヅルだからね、むやみに追い込んで潰しちゃったら勿体無い。

 たまは休息も与えて、生かさず殺さず、ゆっくりじっくりと搾取し続けないとね…フフ…。」



 藤次郎:

 「やいやい、眉毛チビー!!」


 ベータ:

 「唐突だが500万貸してくれっ!!」



 藤次郎:

 「オレは1億だ!!イヤだとは言わんよな!?」


 鳴隼:

 「もちろん。借用書さえ書いてくれれば、いくらでも融通してあげるよ。」



 ベータ:

 「やったな!」



 藤次郎:

 「ついに来たぜ、オレの黄金時代!!」




 ついに来たぜ、二人の借金時代!!\(^o^)/






6/24 (木)



 ネットで昔の「みんなのうた」の動画をよく見るんですが、

 過去に1度聴いてもう一度聴きたい!と思う歌が実はあったんですよ。

 でも、その歌の歌手名もタイトルも何も記憶に無くてですね。

 正直完全に諦めてたんですが、過去のみんなのうたの放送をまとめてくれていたサイトを見つけたのでそれを頼りに探してみたのです。

 確かにその歌の情報は全然記憶に無いのですが、そのほかの歌がかすかに記憶にあったんです。

 それは、ちょうど同じ時期にやっていた歌で、同じく好きだった2つの歌。

 1つは谷山浩子さんの「おはようクレヨン」。

 もう一つは工藤順子さんの「風のオルガン」。

 この両方の歌も、当然当時は歌手なんて気にしてなかったし、タイトルも何しろ昔なもので忘れてしまってたんですが、この2曲に関しては、どちらもメロディやフレーズがかすかに記憶に残ってたのです。

 そこで、この2曲の歌詞を打ち込んで調べたところ、「おはようクレヨン」と「風のオルガン」という曲であることが判明!

 よし、求めていたあの歌へ繋がる道が開けてきたぞ!

 ところが、ここから暗礁に乗り上げてしまったのです。

 オイラの記憶だと、多分その歌を聴いたのは1991〜1993年の範囲じゃなかろうかと記憶してたんですね。

 だから、その年代のところを必死こいて探してみたのですが…。

 あああ、いくら探しても「おはようクレヨン」と「風のオルガン」が同時期に再放送された記録が見付からない…!!

 そこで数日置いてから、もう一度探してみようと。

 1991年〜1993年の範囲から更に的を広げて他の年も探してみたところ……ついにこの2曲が並んでるところを見つけたのです!

 1989年の8〜9月の放送!!

 えーっ!?そんなに前だったっけー!?

 まあ、ともかく、1989年の8〜9月の放送欄に上がってる曲を検索してみる事に…。

 しかし、1991〜1993年だなどと勘違いしていたオイラが、今さらその曲を再び聴いたところでピンと来るんだろうか…、どうせ綺麗に忘れてしまってるんじゃないのかな…と不安になってきました。

 ところが、たった1回か2回しか聴けなかった曲だったのに…、いざ聴いてみたら続きの歌詞がうろ覚えながら浮かんできたんですよ。

 というか、それ以前にイントロ聴いたときに「あっ!!コレだっ!!コレだ!!!」と、一発で確信が持てたんですよ…!

 ちなみにその歌は森昌子さんの「海に来て」という歌でした。今も当時も歌の嗜好が変わってなかったことに嬉しいやら進歩がないやら(笑)。

 しかし結局のところ記憶力は凄かったのか凄くなかったのか良く分からんな…。

 左脳に記憶する数字のような曖昧なものは忘れやすいけど、右脳で聴いた音楽とかは記憶に残るってことでOKなんでしょうかね。

 まあ、なんにしても当時「いいなぁ」と思った歌を21年ぶりに聴けて嬉しかったです。…ッツーかもうアレから21年も経ってしまってるのか…(´;ω;`)





6/30 (水)



 今回の話は2010年5月22日の劇場から微妙に繋がっていたり。


 吹雪:

 「やれやれ、最近暑さが酷いですね…。戦国時代に比べてこの時代の暑さは…。」


 
ぶんぶんぶんっ!(←首を振る音)


 吹雪:

 「いや、立派な武士を目指す以上、この程度で弱音など吐いては…!ん……?」


 
吹雪の頭上に謎の円盤が出現し、中から何かが降りてきた…!


 吹雪:

 「何事!?……っ!?あ、あれは…!?」




 吹雪:

 「ド…ドルなんとか殿……っ!?じ、実在したのか…!!」


 j◎L%尻∀~:

 「・・・・・・・・・」



 吹雪:

 「ど、どうすべきなのでしょうか。か、観光案内でもしたほうが……、い、いやまずは礼儀として挨拶からした方が良いな……。お、お初にお目にかかります、私は桜吹雪と…うわっ!?」


 
吹雪が語りかけようと近づくなりj◎L%尻∀~が触手を伸ばして吹雪を絡めとろうとした。


 吹雪:

 「あ、危なかった…!何をする無礼者!」


 
吹雪の怒りなど意にも介さず第2第3の触手が飛んでくる。


 吹雪:

 「うわわ!!」


 
j◎L%尻∀~のこうげき!


 ふぶきはすばやくみをかわした!


 j◎L%尻∀~のこうげき!


 ふぶきはすばやくみをかわした!



 吹雪:

 「よ、よく分からんが捕まったら一巻の終わりな気がしますっ!」


 j◎L%尻∀~のこうげき!


 ふぶきはすばやくみをかわした!



???:

 「そこまでよ化物!!」



j◎L%尻∀~:

 「!?」



 吹雪:

 「あっ、あなたは!!」


 六段坂徳重:

 「危なかったわねダーリン。」



 吹雪:

 「ろ、六段坂殿…っ!あなたも実在していたのですか!!」


 六段坂徳重:

 「ダーリンは下がってなさい。この化物は、貴方には荷が重いわ。」



 吹雪:

 「ま、まさか、貴女一人で戦うおつもりですか!?」


 六段坂徳重:

 「心配無用よダーリン。それより、あたしがこの化物を倒したら、ご褒美としてあたしとデートよ。いいわね。」



 吹雪:

 「えっ……!そ、それは…お断りしたい…な…。」


 j◎L%尻∀~:

 「・・・・・・・・・」



 六段坂徳重:

 「とゆーわけで化物、死んでもらうわよ!あたしとダーリンの輝かしい未来のために!!」



 j◎L%尻∀~:

 「・・・・・・・・・」



 六段坂徳重:

 「見せてやろう、一子相伝の暗殺拳・玄武震岩拳の伝承者である、この六段坂徳重の真の力を!!」



 吹雪:

 「ええええ!?あ、あなたそんな凄い人なんですかっ!?」


 六段坂徳重:

 「ぬううあああああ!!ニューハーフパワー!!!」



 
ずごごごごごご!!


 j◎L%尻∀~:

 「!!」



 吹雪:

 「な、何という凄まじい闘気…!!」


 六段坂徳重:

 「塵と化せぃ!!玄武震岩拳奥義!奮迅凄さ…」



 
ぱっくんちょ


 吹雪:

 
「あああああ!!!ろ、六段坂殿ォオオオ!?」


 
六段坂徳重は悲鳴ひとつあげる間もなくj◎L%尻∀~に丸呑みにされた。


 吹雪:

 「ああああ…!ろ、六段坂殿…、私などを庇ったばっかりに……!!」


 j◎L%尻∀~:

 「グェーップ。マズイ!!マズスギル!!」



 吹雪:

 「しゃ、喋った!?」


 j◎L%尻∀~:

 「驚イテオルナ。今ノおかまヲ喰ライ、ソノ言語能力ヲ頂イタノジャ。」



 吹雪:

 「た、確かにこのやたら野太い声は六段坂殿の声と同じ…!!」


 j◎L%尻∀~:

 「桜吹雪ヨ。ワラワハソナタヲ初メテ知ッタソノ日カラ、ソナタノ事ヲ考エナンダ日ハ無カッタゾ。」



 吹雪:

 「……!!」


 j◎L%尻∀~:

 「グホホホホ。ソノスベスベノ肌、ピチピチノ肉体、サゾカシ喰ウタラ美味デアロウナ!

 サッキハ馬糞以下ノヨウナごみヲ喰ロウテシモウタカラ、早速口直シジャ!!」



 吹雪:

 「ゴ、ゴミ…!?

 初対面に過ぎない私を守るために犠牲となった六段坂殿の命をゴミだと!?

 許さん!!斬り捨ててくれるわ!そこに直れェ!!」


 j◎L%尻∀~:

 「ブホホホ!ソノ細腕デ、ワラワヲ斬ロウテカ!健気健気!!」



 吹雪:

 「決死の武士をバカにすると痛い目を見ますよ…!!」


 
すれ違いざまにj◎L%尻∀~の触手を3本斬り落とした!!


 j◎L%尻∀~:

 「ぎゃああああ!!オ、オノレ、下等生物ノ分際デ高貴ナワラワノ身体ヲオオオ!!」



 
逆上したj◎L%尻∀~が全触手で吹雪を襲う!


 吹雪:

 「くっ、何のこれしき!!」


 
必死に刀で弾く吹雪。


 j◎L%尻∀~:

 「ワラワノ美シイ肌を傷ツケタ罰ジャ!其ノ方ハコノ世デ最モ醜ク惨タラシイ殺シ方ヲシテヤロウゾ!!喰ラエィ!!」



 
パキン!


 吹雪:

 「わああ!か、刀が折れた!!」


 j◎L%尻∀~:

 「グォッフォッフォッフォ!ソノヨウナなまくらヲ使ウテオルカラジャ!サアテ、覚悟ハ良……!?」



 吹雪:

 「む、無念…!」


 j◎L%尻∀~:

 
「ぐべらえええぶぁあああああ!!!」


 吹雪:

 「!?」


 
吹雪が死を覚悟した瞬間、その目の前でj◎L%尻∀~が真っ二つに斬り裂かれた。


 j◎L%尻∀~:

 「ク…口惜シヤ…下等生物共メ…!マサカ、マサカモウ一人仲間ガ居ヤガッタトハ……!!ワラワガ、コノ高貴ナワラワガ、コノヨウナ銀河ノ辺境デ……!」


 吹雪:

 「氷雨!氷雨じゃないか!」


 氷雨:

 「危ないところだったな吹雪。」



 j◎L%尻∀~:

 「口惜シヤ、口惜シヤ…、セメテ、セメテ最後ニ吹雪ノ肉ヲ喰ロウテヤリタカッタモノヲ…、コノヨウナ下等生物ニ口惜ッ…!?」←トドメを刺された



 氷雨:

 「いつまでもやかましいわ。」



 吹雪:

 「氷雨…、六段坂殿は……?」


 氷雨:

 「よほど消化力の凄い化物だったようだな。真っ二つにしたが、骨すらも残っておらんようだ。」



 吹雪:

 「そんな…。私のせいで…。」


 氷雨:

 「過ぎてしまったことは仕方あるまい。戦場では死者などいくらでも出る。悲しんだところでそいつが戻ってくるのか?」



 吹雪:

 「そ、それはそうだが…。」


 氷雨:

 「過ぎたことより、これからせねばならんことを考えるべきだろう。」



 吹雪:

 「これからすべきこと…?」


 氷雨:

 「命の恩人であるオレへの礼だ。そうだな。回らない寿司でいいぞ。」



 吹雪:

 「えっ…!お、お前の食べる量は常人離れしてるから、いくらなんでもそれは…!」


 氷雨:

 「さあ行こう。大丈夫だ、お前はオレが見込んだ男。将来必ず大きくなる。今は支払えなくてもいつか必ず出世して払えるさ。さあ、お前のツケで食べに行こう。」



 吹雪:

 「うわああん、せめて蕎麦かうどんにしてくれえええ!」



 j◎L%尻∀~に喰われずに済んだ吹雪だったが、旧友の氷雨にしっかり骨の髄まで喰われる羽目になった。


 氷雨:

 「何だ、金持ってるじゃないか。もぐもぐ。もぐもぐ。」



 吹雪:

 「これは来月の生活費全部なのっ!」




 新キャラ紹介




桐生氷雨(きりゅう・ひさめ)

 
吹雪の刎頚の友。

 もともとは氷雨は上級武士の生まれで、吹雪は下級武士の生まれ。

剣は苦手だったが努力に努力を重ねて力を付けた吹雪とは逆で、
氷雨は剣の才能に恵まれ、早くから天才剣士として声望が高かった。

 そんな正反対の二人だったが、
主君である清井家の姫君を救出する際の戦いで共闘。

お互いにその力と志を認め合い、
生涯の好敵手として、親友として認め合う仲になった。

 ちなみに右目の傷はその戦いで負ったもの。

 その後別々に武者修行の旅に出ていたが、ここで再会したようである。

 暇さえあれば食べる。とにかくよく食べる。食欲の権化。



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